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それぞれの森で エゾフクロウ

 本来は夜行性のエゾフクロウですが、繁殖期には昼間に狩を多く行うことがあります。雛が巣立った後も雄のフクロウは、日に何度もネズミを捕らえて雌に届けていました。雄が雛に自ら餌を与えれば効率的だと思うのですが、雄は子供との接し方が上手くないようです。一度だけ雄が雛にネズミを運ぶ姿を観察しましたが、雑な餌渡しで落下させてしまいました。その様子を見ていた雌が、グゥエッ、グゥエッと低い鳴き声とともに現れ、落下したネズミを雛鳥の元へと運び、慣れた様子で切り刻んで与えました。母親を見つめる雛の表情は、安心しているように見えます。それも、そのはずです。孵化してからこれまで、餌を直に与えてきたのは雌なのですから。その後、雌は雄がネズミを捕らえると、自ら催促するように雄の元へと森の中を飛び交う姿を多く目にするようになりました。それぞれの森で、それぞれの物語が色々とあるものです。

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