秋の深まりとともに冷えこみが増し、
この日は夜中まで川のほとりで焚き火に当たりながら、 今にも落ちてきそうな星空を見上げ、 森の片隅から聞こえてくるオスジカのラッテイングコール( 繁殖期に出す猛々しい声) や少し控えめに鳴くフクロウの声に耳を澄ます。
これまで夜に鳴きつづけていた夏鳥の多くは早々と南へと去り、 それと交代するように夜空の向こうから越冬のために渡ってきたハ クチョウのにぎやかな声が聞こえてくる。
その姿は見えないけれど、確かに感じる冬の気配…
あまりにも早く過ぎゆく季節の移ろいに、 こぼれた白い吐息が火の粉とともに暗がりに消えていった。