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いのちの攻防 アカゲラの幼鳥

 7月の上旬に3羽のアカゲラのヒナが2日間かけて無事に巣立った。巣立って間もないヒナは、まだうまく飛ぶことができずに幹の陰に身を隠し、親鳥にエサを運んでもらうのを待ち続けている。巣穴から勢いよく顔を出して力強く鳴ていた頃の面影はなく、とてもひ弱に見えて心配になるほど。

 実は営巣木の前にセンサーカメラを取り付け、昼夜にわたって観察を続けていた。目的はアカゲラの家族の動向ではなく、ヒナを補食しに現れる訪問者がいるはずだと考えていた。その予想は当たり、巣立ち1週間前の早朝にエゾケロテンが高さ約10メートルの巣穴まで駆け上がった。ヒナを襲うような行動は見られず、匂いをかぎに偵察に来たように感じた。アカゲラの巣の小さな入り口に彼がどんなに手を伸ばしてもヒナをつかむことは難しいだろう。獲物への執着心が非常に強いクロテンが現れたのはこの1度だけ。
 その一連の行動から、巣立った後のヒナを狙っているのではないかと推察した。
 
 この写真を撮影した翌日には、親子の気配はこの樹林から消えた。ヒナがこの日の夜を無事に越せたのかどうか、本当のところは分からないが、真夜中の命の攻防がおぼろげに頭の中を駆けめぐっていく。
 
 
 
 
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