エゾハルゼミの声が森から消えゆくなか、入れ代わるように地中から這い出てきたコエゾゼミの幼虫が仲間と競うようにトドマツの幹を上っていく。多くの個体は幹の高さ2~3メートル付近かその周辺の枝先まで進み、羽化の準備にはいる。モゾモゾと動く足が止まってから、しばらくすると背中が割れ、神々しいほどに美しい淡い緑が少しずつ現れた。全身が殻から抜け出て、体を起こしながらくるまったシワシワの羽を伸ばしていく。
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