Field Note

　深山を流れる渓流の水面をオジロワシが樹上からじっと見つめていた。さらに深い緑に覆われた上流域へと目指すサクラマスが目当てのようだ。カラフトマスと比べ、母川への回帰率が高いと言われているサクラマスだが、近年その姿が減少し、これまで遡上していた流域に姿を見せない。少雨で川の流量が少ないのも一因だと思うが、毎年魚を楽しみに待ち続けている山の動物たちは、戸惑っていることだろう。