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小さな命 エゾライチョウ

 エゾライチョウの親子が朝霧が晴れた森のなかを連なって移動していた。その後を追うと、警戒した母親が鋭い羽音とともに樹上に上がり、ヒナたちは蜘蛛の子を散らすように飛びたった。こうなってしまうと、視覚を頼りに小さなヒナの姿を森のなかで見つけるのは困難だ。しばらく足を止めて耳を澄ますと、母親を呼ぶヒナの声がエゾハルゼミの鳴き声に消されることなく微かに聞こえてきた。その方向に進むと、小さな体を震わせて懸命に鳴くヒナの姿が、鬱蒼とした森のなかに差す一筋の光で浮きあがってきた。

 夏の終わりまで何羽のヒナが生存しているのだろうか。キタキツネをはじめ、エゾクロテンなどの捕食者がこの森には多く生息している。成長した姿にまた出合えると良いのですが…。

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