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内陸の森へ エゾシカ

 雪化粧した大雪山を離れ、北海道で最も気温が下がると言われている内陸部の森に入った。朝の気温は氷点下4℃、冬用の寝袋でも冷気で目を覚ます。この寒さに馴染むまでもう少し時間がかかりそうだ。

 そんな森の中で若いエゾシカと出合った。深く積もった落ち葉を前肢でかき分け、植物を探し食べている。鹿の猟期が始まり警戒心の強い個体が多いなか、少しずつその距離を縮めることができた。その間、エゾシカと何度か見つめ合う時間があった。お互いの心の内を探り合うかのような、この張りつめた空気感が静謐で心地良い。
 間もなく、この地にも過酷な冬がやってくる。
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