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河畔林の出合い エゾモモンガ

 冷え込みが増しはじめた夕暮れ間近の河畔林で、エゾモモンガの痕跡を見つけた。

 ミズナラの太い幹に開いた、500円玉ほどの小さな洞の前で、顔を出す瞬間を待ち続けた。
これまでに数多くのモモンガの巣を観察してきたが、たいていは日没後に闇に紛れるように姿を現せた。
この日も、明るい時間帯での出没は期待が薄かった。しかし、タンチョウの透き通るような鳴き声が静寂を破った瞬間、辺りを伺うように洞から小さな顔をそっとのぞかせた。
くりくりとした大きな瞳には、地平線に沈みゆくやわらかな陽光が静かに揺れていた。
 
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