先日の雨で桜が舞い、新緑が日一日と濃くなっています。湖沼では水鳥の雛たちが、親鳥の後を追う姿を見かけるようになってきました。これから夏にかけて、ほのぼのとした親子の光景を多く目にする事でしょう。そんななか、いま子育て真っ最中の母ギツネが巣穴から顔を出しました。母ギツネは外に出ると大きく伸びをして、仔ギツネたちの餌探しに出かけます。母ギツネが少し歩くと、突然甘えた鳴き声を出し、尻尾を振って全速力で駆け始めました。草むらで休んでいた雄ギツネを見つけたのです。まるで仔ギツネが母ギツネに甘えるかのように、寄り添い雄ギツネの毛繕いを始めました。15分もの間、互いに舐め合いながら毛繕いをして、各々が別の方角へ餌を探しに歩き始めました。狭くて暗い巣穴で子育てを続けている母ギツネにとって、つかの間の癒しだったのでしょう。
もう間もなく、仔ギツネが巣穴から顔を見せてくれるでしょう。
