昨秋に黒毛の大きな雄グマを撮影していた森を再び訪れると、まだ深い雪の上に真新しい足跡を見つけました。後ろ足の跡が長さ35センチ、幅15センチを越えている事から大きな雄グマのものだと分かります。足跡は雪解けが進み水量が増す沢沿いへと真っ直ぐ続き、沢を横断してから山の斜面へと向かっていました。まだ瑞々しい植物が少ないので食べ物を探して歩き続けているのでしょう。足跡の道筋が昨年の雄グマのものと似ている事から同一個体のように感じます。薄暗い森の奥へと、ゆっくり歩く雄グマの姿が足跡の先におぼろげに浮かんできました。