Field Note

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雪深い森 エゾシカ

 北海道内陸部に位置する多雪エリアへと移動してきました。 湖が結氷し雪原へと変貌した氷上を、 スノーシューを履いて上流域を目指し遡行します。 雪を踏む音以外は、何も聴こえてこない静寂な空間に包まれ、 一歩一歩踏み進む毎に心地好くなってくる感覚が芽生えてきます。 時折立ち止まり、周囲の地形を確認しながら、 白一色の世界のなかで自分の位置を把握します。 3kmほど進んだ頃でしょうか、 湖岸に雪の重みや暴風で折れた白樺の小枝を食べる一頭の牡鹿に出 合いました。立派な角を持っていますが、体は痩せ、 その動きから力無いように感じられます。その後、 約2時間かけて上流域に辿り着きましたが、 川全体が深い雪に覆われ、せせらぎの音も聴こえてきません。 秋まで賑やかに飛び交っていたヤマセミやカワガラスの気配は、 微塵も感じられませんでした。

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