日一日とにぎわう森

日一日と森が賑やかになっていくのが分かります。
解氷すすむ湖沼 コハクチョウ

解氷が進む湖沼に、
旅立ちと新たな始まり オオワシ

連日、南風が吹き続けています。
氷原の海鷲

薄明から海鷲たちが、
根室海峡の流氷群

春の訪れを知らせる雨が、
微笑ましい光景 エゾシカ

山域に生息するエゾシカの一群が、
冬のおわり エゾシカ

夕方になるとエゾシカが、
山の狐

一昨日から生暖かい南からの風が吹いています。
足跡の主 キタキツネ

写真のキタキツネは、先日の足跡の主です。
シュプール(痕跡) キタキツネ

森林限界付近に位置する深雪に埋もれたハイマツ帯から、
恋の季節 キタキツネ

恋の季節を迎えたキタキツネを雪原で頻繁に見かけるようになって
彩り エゾシカ

お昼前から雪がふわふわと舞い降り、
多彩な朝 オオワシ

冬ほど気象状況に神経を使う季節はありません。毎朝、
「Earth Walker」BSフジ ― 生き物たちの声を聴く ― に出演致します。
氷海の影響 ハシボソガラス

オホーツク海が流氷で覆い尽くされると、
厳寒に生きる命の痕跡 エゾシカ

雪深い湖畔沿いを進むと、
雪深い森 エゾシカ

北海道内陸部に位置する多雪エリアへと移動してきました。
三寒四温 エゾフクロウ

早朝は氷点下16度近くまで冷え込みますが、
沈黙のミソサザイ フロストフラワー

厳寒期の美しい光景は、
カワセミの越冬

気嵐が漂う氷点下23度の朝、
警戒の理由 アオサギ

氷点下20℃まで連日気温が下がり、
アオサギの越冬

氷点下20度まで冷え込んだ朝、
月光浴 カワアイサ

満月の柔らかい光が白銀の世界を照らし、
結氷する水辺 アメリカミンク

日に日に結氷が進んでいる湖沼の水辺に、
厳寒の朝 エゾシカ

きらきらと星が瞬く長い夜の間に、
そんな極寒の朝、
謹賀新年

昨年は当ホームページを御高覧いただき、有り難うございました。
写真ギャラリー「Landscape with Swans」をアップロードしました

師走に入り寒さが日々増してきましたが、みぞれ混じりの湿った重たい雪が一昨日から降り続いています。強い寒気が年末から南下するようなので、本格的な冬の撮影はその辺りからになりそうです。写真ギャラリー「Landscape with Swans」をアップロードしましたので、ご覧ください。
多彩な個性 ヒグマ

晩秋の森の中でき大きなオスグマが夢中になってドングリを食んで
木登りグマ

これまで大きなオスグマが木に登る姿を観察した事はありませんが
ミズナラの森 ヒグマ

今季は丸々と育ったミズナラのドングリが、
オンコ(イチイ)の果実 子グマ

今季はヒグマと出合う日が少なかったので、
これまで、オンコ(イチイ)
山眠る

日一日と寒さが増していますが、風の無いとても穏やかな夜です。
初冬の森 キタキツネ

冬になるとキタキツネもひだまりを求めて、
ひだまり エゾフクロウ

氷点下7度と今季一番の冷え込みになった森の中で、
オホーツク海の夕暮れ

11月に入り少しずつ冬型の気圧配置を目にするようになってきま
渓流のダイバー カワガラス

シロザケが遡上する渓流にカワガラスがピッ、ピッと鳴きながら頻繁に姿を見せています。
宇宙のスペクタクル

いろんな場所で、そして、
自然のリズム シマリス

少しの期間でも自然から離れると、
カラマツ林 エゾシカ

多くの広葉樹は葉を落とし、越冬の備えを着実に進めています。
落葉の森 シマフクロウ

落葉が進んだ晩秋の森に、柔らかい光が注がれています。
ふたたび森へ

道内は冷たい雨が降っています。山は早くも雪化粧し、
母校での講演
昨日25日、母校の下関市立豊浦小学校・
晩秋の森

連日、
山粧う

知床の山肌を白い幹がうねるように伸びるダケカンバの光景が、
知床の夜明け

雲間からうっすらと差す月明かりが、
森粧う

先日、氷点下まで気温が下がり、初霜が降りました。
有終完美 サクラマス

母川を離れ、大
いのちの回廊

海から山腹へと森を縫うように伸びる河川は、
フィールドサイン

晴天が続き連日にわたって、
深まる秋 オジロワシ

上流域の川岸に息絶えたサクラマスを目当てに集まるオジロワシや
新たな出合いを求めて ヤマセミ

9月に入り、
躍動する生命 サクラマス

9月に入り、雁の小群が北の方角から渡ってくる姿を、
熟した実から順番に シマリス

朝からイチイの果実を目当てにやって来る生き物たちを待っている
イチイ(オンコ)の果実 ゴジュウカラ

赤くて、
貯食 シマリス

先日の台風がもたらせた強風で落葉が進み、
いのちの輝き オシドリ(メス)

9月に入り、日一日と朝晩の冷え込みが進んでいます。早くも広葉樹は冬に備えて、少しずつ紅や黄色に色づき、ひと風ごとにはらはらと散り始めています。寂しげな森を映す水面を優雅に進む一羽のオシドリが、その光景に温もりと輝きを与えてくれていました。
朝凪 アオサギ

朝の柔らかい光の中でアオサギが長い首を伸ばして小魚を探しています
夏の終わり イワツバメ

一雨ごとに北国の夏は、終わりに近づいています。
秋の気配

お盆が過ぎ、朝晩の冷え込みを感じるようになってきました。
夕照のひととき エゾシカ

雨雲が去り、
朝の森 シマフクロウ

月明かりとヘッドライトの灯りを頼りに、
遡上 サクラマス

山間を縫うように流れる川の上流を目指すサクラマスが、
深い霧 オジロワシ

南からの湿った風が霧をもたらせ、渓谷を包み込んでいます。
豊かな生態系 オジロワシ

夜明け前にテリトリーを主張するオジロワシの鳴き声で、
母川回帰(ぼせんかいき) サクラマス

春、生まれ育った川の河口に姿を見せたサクラマスが、
別れの季節 キタキツネ

強い陽光が降り注ぐ草原で、
子ギツネの成長 キタキツネ

燦々と照りつける太陽が、真夏の訪れを知らせてくれます。
けもの道を辿って エゾシカ

森の奥へと続く獣道を辿って進むと、
盛夏 エゾフクロウ

昨春は三羽の雛を育てあげたフクロウの雌雄ですが、
自然界の掟(おきて) クマゲラ

親鳥の巣立ちの促し行動が始まってから5日後、
夏の盛り エゾシャクナゲ

雨上がりの森のなかで、
山間の森 クマゲラ

間もなく巣立ちを迎えるクマゲラの雛の甲高い鳴き声が、
雨あがりの草原 シマセンニュウ

雨あがりの草原を訪れると、
巣立ち ゴジュウカラ

森の片隅からピイピイ、ピイピイと雛鳥が、
森の美食家 エゾリス

森は緑が深まり、鬱蒼としてきました。
小さな鼓動 エゾリス

早朝から生後2ヶ月ほどのエゾリスの子供たちが、
儚い生命 アカゲラ

5月にアカゲラが巣作りをしていた森へ、
すくすくと タンチョウ

生まれて約2週間が過ぎた2羽のタンチョウの雛鳥は、
潮間帯、いのちの攻防 キアシシギ

四季を通じて潮間帯には、多くの生き物たちが集まってきます。
きずな キタキツネ

雨上がりの森は、植物のほのかな甘い香りが漂っています。
息をひそめて コゲラ

先日、紹介したアカゲラは巣作りを終えて、
初夏の風 オジロワシ

エゾヤマザクラの花びらがはらはらと散り、
巣材はこび シジュウカラ

シジュウカラの雌雄が、
キョウジョシギ (京女鷸)

キョウジョシギの和名は、その美しい夏羽の模様から「
森の大工さん アカゲラ

数日前から森の中でコツ、コツ、
多彩な音色に包まれる森 アオジ

ゴーゴーと強風で木々が揺れる森の中で、
新緑萌ゆる湖沼 タンチョウ

水芭蕉が見頃を迎えた新緑萌ゆる湖沼で、
春の海 ゴマフアザラシ

流氷が消え海明けとなったオホーツク海にゴマフアザラシの姿を見
新緑芽吹く山麓で エゾユキウサギ

まだ早朝や夕暮れ時は、日差しが恋しくなるほど冷え込みますが、
北帰行

南から渡ってきた雁の仲間や白鳥たちが、雪原から顔を出した田畑の落穂を目当てに次々と集まってきています。冬には白く美しかった白鳥ですが、羽が土に汚れながらも必死に落穂を食んでいます。もう間もなく、繁殖のためにシベリアへの長い長い旅が始まります。鳥たちにとって、田畑に残された落穂は貴重なエネルギー源となっています。人の営みが多くの生命の糧となり、遥か彼方の土地で連綿と命を繋げています。
春の空

春がもたらす景色の移ろいは、
春色へ エゾユキウサギ

北海道も春本番を迎え、
黄昏時に浮かぶ影 流氷とオオワシ

この数年、野付半島のオオマイ(氷下魚)
多彩な生命 タンチョウヅル

タンチョウヅルが繁殖地へと舞い戻り、
冬と春が出合い織りなす風景 エゾシカ

福寿草が顔を出した樹林から海岸へと下りてきたエゾシカが、
流氷が育む小さな生命 ツグミ

日一日と雪解けと解氷が進む汽水湖の潮間帯で、
根室海峡の流氷

先日の暴風で汽水湖に流入した海氷が、
初春の嵐 オジロワシ

午後からファインダーを覗く目を開けられないほどの暴風雪が吹き
ふかい霧の朝 エゾシカ

3月に入り、冬の抜けるような青空が見られなくなってきました。
春の風 根室海峡の流氷山脈

根室海峡を彷徨うように流動していた流氷が、
夏鳥の越冬 ホオジロ

厳冬期から目にしてきた2羽のホオジロが、
流氷をめぐる命の攻防 オジロワシ

メスを追いかける複数のオスのシノリガモの一群が、
オホーツクの流氷

春の訪れを告げる南風が、
猛吹雪の朝 エゾシカ

急速に発達した低気圧が、
吹雪が明けて キタキツネ

二日間続いた吹雪が収まり、
雪のふる森 エゾフクロウ

春が少しずつ近づいています。流氷が知床半島を越え、
恋の季節 キタキツネ

2月に入り、恋の季節を迎えたキタキツネの、
春の兆し オオハクチョウ

立春を迎えて日も長くなり、日差しも強くなってきました。
厳冬が織りなすハーモニー

結氷を始めた湖は、寒暖差の影響で氷が膨張と収縮を繰り返し、
雪深い森のなか エゾシカ

今朝も氷点下18度と寒い朝を迎えました。
イタヤカエデの樹液 ヒヨドリ

イタヤカエデの枝先から滴ったほんのり甘い樹液が氷柱となり、
樹氷の森

道東内陸部の寒さは、
薄明のなか ノスリ

薄明のなか一羽のノスリが霧氷を纏った樹上に舞い降りました。
月光と霧氷

昨晩は二日間ほど続いた暴風雪が収まり、
マジックアワー タンチョウ

薄明の時間帯は、
ダイヤモンドダストと霧氷の共演

今朝は昨日までの穏やかな天候が一変し、急発達した低気圧の影響で暴風雪となっています。
幻想的な世界 オオハクチョウ

毎日のように霧氷に包まれた幻想的な景色のなかで朝を迎えていま
陽光 ホオジロガモ

北海道は強い寒気の影響で真冬日が続いています。
新年のご挨拶

昨年も多くの動物たちとの素晴らしい出合いに恵まれました。
厳寒の朝 タンチョウ

今朝も気温が氷点下21度まで下がり連日厳寒の朝を迎えています。
氷点下20℃の世界 ダイヤモンドダスト

ようやくこの時期らしい寒さになってきました。この数日、
厳冬のはじまり オオハクチョウ

この数日氷点下15度前後 まで冷え込む朝を迎え、ようやく冬らしい寒さになってきました。
いのちの連鎖 オオワシ

12月の中旬に入り、河川の中流域を遡上するシロザの姿もめっきり
小春日和 オオワシ

越冬のためにロシアから渡ってきたオオワシやオジロワシが河川を
暖冬 エゾシカ

近年、暖冬が続いていますが、今冬ほど温かく、
ドキュメンタリー映画「GUNDA / グンダ」のご紹介
先日、ドキュメンタリー映画「GUNDA/グンダ」を拝見し、
銀世界 オオワシ

強い北西の風がもたらせた雪雲が、
ヒグマとの時間

動物や鳥たちの澄んだ瞳はどれも美しく魅力的で、
冬の足音

いま知床は、季節が足踏みしている様子です。
河畔林のオオワシ

知床の河畔林に越冬のため渡ってきたオオワシの姿を場所によって
不思議な出合い エゾシカ

近年、知床でエゾシカを目にする事が少なくなり、
羅臼岳とクマタカ

晩秋から初冬へと移ろう知床の森で、この数日、
夏鳥の旅立ち イカル

多くの夏鳥が南へと旅立つなか、
知床の森 エゾシカ

早朝、知床の森にすこし足を踏み入れると、
ヒグマの森

いま知床の森のなかで、
林床は黄色い絨毯 ヒグマ

知床の森はイタヤカエデやカツラ等の黄葉が樹冠を美しく彩ってい
知床峠のダケカンバ

昨日、今季初めてオオワシの姿を確認しました。青空のなか、
秋の恵み コクワ(サルナシ)

阿寒から知床の森へと移動して来ました。
初雪 雀

今朝、阿寒の森で初雪を迎えました。
冬支度 シマリス

大雪山の頂に初雪が降り、山の動物たちも冬の備えに忙しそうです。シマリスが真っ赤になったウラジロナナカマドの果実を、丁寧に果肉だけを剥いて口一杯に頬張っていました。この山域に生息するシマリスは、10月下旬には長い長い冬眠に入ることでしょう。
冬鳥

この数日、
夜明けの樹海

まだ夜に包まれた大雪山の麓で、
錦秋水面 大雪山

いま大雪山の山裾を染める秋色を求めて広範囲を移動しています。日一日と色濃くなる山肌を染める錦秋に心ときめかせ、新たな風景との出合いを探しています。森の奥からは、繁殖期を迎えた雄鹿の鳴き声を多く耳にするようになってきました。季節は一歩ずつ冬へと近づき、美しい秋も終わりに近づいています。毎年名残惜しく過ぎてゆく季節に、あと何度出合えるのだろうか。そんなことを考えると、すこしの寂しさと焦りが入り交じった感情が体の内から芽生えてきます。
錦秋 大雪山

今季の紅葉は、
有終の美

大雪山の山麓も氷点下まで気温が下がり初霜がおりました。
山裾へ 大雪山の紅葉

大雪山の紅葉のピークは、稜線から山裾へと勢い良く駆け下りてきました。
雲海の朝 大雪山

東の空から星が一つ、また一つと消えはじめると、
初雪の気配 大雪山

大雪山は早くも初雪の気配を感じるほど、気温が下がっています。
大雪山の紅葉

この夏続いた日照りの影響もあり、
エクリプス(夏羽) オシドリ

鬱蒼とした森の中の小さな湖沼で、
夕凪 アオサギ

夕暮れ近くの湖沼に、
しずかな朝

朝の美しい光景に出合いました。早朝の柔らかい光は、
早くも冬支度 ナキウサギ

10年以上前に良く通った、
湖沼のハンター ミサゴ

毎年、
まだ、このミサゴは仔育て真最中のようです。捕らえた魚は、毎回、同じ方角の山深い場所へと運んでいきます。
イチイ(オンコ)の果実 エゾリス

北海道はお盆が過ぎると、もう秋だと言われていますが、
この果実を目当てにやって来るのは、
清流のハンター ヤマセミ

台風10号から変わった温帯低気圧が、
森の恵み タモギダケ

待ちに待った雨の翌日の森のなかで、沢を跨いだ倒木に黄色いキノコが顔を出していま
針葉樹の森で クマゲラ (幼鳥)

記録的な猛暑が続いている北の森ですが、
ネムロコウホネの咲く湖沼 タンチョウ

原生林に囲まれた静かな湖沼で、一羽の幼鳥を連れたタンチョウの
日照り オオルリ(メス)

依然として北の森は日照りと酷暑が続き、
優しい囀り ウソ

「フィーフィー、フィー」口笛のように何とも優しい歌声が、
夏山へ ギンザンマシコ

早朝、
猛暑日 エゾユキウサギ

北海道各地で日照りが続き、農家さんは作物の生育に頭を抱えています。
夏、まっ盛り キビタキ

いよいよ北の森にも本格的な夏がやってきました。連日、30℃ほどの暑さが続き、午後になるともくもくと積雲が湧いてきます。動物や鳥たちの仔育てのシ-ズンも終わりに近づき、
雨上がりの森 ミドリシジミ

早朝の雨上がりの森ほど清々しい気持ちにさせてくれるものはあり
エゾシカの親仔

この数日、森の中でエゾモモンガの仔が穴から顔を覗かせるのを、
しずかな旅立ち ヤマゲラ

この森に移動してきた目的は、クマゲラの仔育ての撮影でしたが、
山裾の森へ エゾライチョウ

エゾフクロウの森を離れ、
つながるいのち エゾフクロウとアカハラ

約一月にわたってエゾフクロウの親仔の観察を続けてきましたが、
緑深まる森 シジュウカラ

森の緑が深まるにつれ、虫たちも多く飛び交うようになりました。
エゾハルゼミの鳴く森で エゾフクロウ

森は樹冠を覆うように葉が茂り、
森が育むいのち エゾフクロウ

今朝は、まだ暗い3時前にセンダイムシクイの囀ずりで目を覚ましました。鳥たちの囀ずりひとつにも、季節の変化を感じる事が出来ます。
SONY「a Universe」に記事が掲載されています
Sony a Universeに「a 7SⅢで捉える野生動物の世界」、4K動画と写真とともに記事が公開されています。
初夏 ツツドリ

「ポッポッ、ポッポッ・・・」
いのちの攻防 エゾフクロウ

この森のエゾフクロウの雌雄は、
新緑のなかで エゾフクロウ

雨露を纏ったみずみずしい新緑のなか、
新しい森の仲間 エゾフクロウ

北の森は朝から雨が降っています。昨日、
真昼の狩り エゾフクロウ

先日出合ったエゾフクロウの森を再び訪れると、
原生林

何度訪れても、惚れ惚れしてしまう森を歩いています。
色づく森 エゾオオサクラソウ

いま北の森は、小さな草花が一斉に咲きはじめています。
萌ゆる森 エゾフクロウ

昨日から冷たい雨が、降り続いています。
仲良し兄妹 タンチョウ

タンチョウのひな鳥2羽は、
誕生 タンチョウ

南からの心地好い風が止めどなく吹いています。今朝8時52分、
間もない旅立ち タンチョウ

前回紹介したタンチョウの一番仔が誕生した後、
春の雪 ミズバショウ

朝からゴルフボールほどの牡丹雪が降っています。
春風 キタキツネ

この数日、
水芭蕉が見頃を迎えた森のなかで キタキツネ

水芭蕉が見頃を迎えた森の中でキタキツネと出合いました。
ヒグマの気配 エゾユキウサギ

ダケカンバの森でようやくエゾユキウサギに出合えました。僕を長い間待っていてくれたかのように微動だにせず、じっと此方を見つめています。春の締まった雪でウサギの足跡が残らず、勘だけを頼りに一時間ほど歩いた森の奥での遭遇です。足跡を辿って5~6時間歩いても簡単に出合えないのに本当に不思議なものです。その他にも、もう何時どこでばったり出合ってもおかしくないヒグマの気配に神経を尖らせ歩いていた事も功を奏したのかもしれません。
今季は諦めかけていたウサギとの出合いに、幸福感と安堵が入り混じった何とも言えない感情が内から込み上げてきました。
移りゆく時のなかで トラツグミ(夏鳥)

季節は、時の流れの一瞬でしかありません。解氷した水辺の表情は刻一刻と変わり、そこにとどまってなどくれません。冬鳥が一羽、また一羽と旅立つと翌日には夏鳥が渡ってきます。そんな移りゆく時のなかに、木々が揺れる森のなかに、繰り返す雨音のなかに空気のように僕を優しく包み込む仲間が何時もいることに、ふと気づかされます。
はじめて見る世界 エゾリス

まだ雪深い山の斜面を登下降しながらエゾユキウサギを追って歩いてい
薄暮の森 エゾフクロウ

名残惜しい冬の景色に誘われ、
シベリアへの旅 コハクチョウ

この冬の道北エリアは積雪が多く湖沼の解氷が遅れていましたが、
多様な生命の営み エゾモモンガ

この森のエゾモモンガにもようやく春がやってきたようです。
「春の森 Forest in spring」フォトギャラリーを更新しました

やわらかい春の風と陽光が雪解けを進め、いま北の
日一日と春に向かって ミソサザイ

数日前から数羽のミソサザイがテリトリーを回りながら絶え間なく
小さな春 福寿草

森の中を歩いていると足下に一輪の福寿草が美しい花を開かせていました。福寿草を探し歩いていたわけではありませんが、タイミング良く出合うことが出来ました。辺りの林床を見回しても今咲いているのはこの一輪だけです。毎年この花を見るともう春だな、と細やかな幸せを感じます。雪解けが進むと同時に、張り詰めていた冬の間の緊張感が少しずつ動物や鳥の行動から、そして自分の内面から解かれていくのを感じます。もうすぐ、待望の春がやって来ます。
春の陽気に誘われて エゾモモンガ

21日(日)の雪で真っ白になった北の森ですが、
春の嵐 キタキツネ

夜中から降りだした雪が、
やわらかい春の日差し ハシブトガラス

まだ植物が芽吹くまで少し早い北の森ですが、
もう少し キタキツネ

キタキツネが雪原を足早に移動し小動物を探しています。今季、
北帰行 オオハクチョウ

日一日と陽光が強まり、北海道にも春の足音が近づいています。北海道東部の湖沼に繁殖のために北へ帰るオオハクチョウが、羽を休めに次々と集まっています。繁殖地のシベリアまで、長い長い旅がまだ始まったばかりです。しばらくの間、この地で休息をとって北へと旅立ちます。
夜明けの闘い エゾユキウサギの足跡

すっかり春めいてきた平地の森は、
雪から雨、霧氷から雨氷へ

昨日の朝、暗雲に覆われた山へ車を走らせました。
つながる生命 オジロワシ

毎年、雪解けが進むこの時期になると長い冬の厳しさで体力を失い、力尽きる動物たちの姿を目にします。この日もキタキツネとエゾシカの変わり果てた姿を続けざまに見ました。それを目当てにカラスやキツネ、海鷲が集まっています。写真のオジロワシ(右下)はこの地域をテリトリーとし繁殖をしている個体です。もう間もなくすると産卵をし、新しい生命を育みます。ひとつの生命の死は、新しい生命のはじまりです。全ての生命はつながりをもって息づいています。
雨氷の森 エゾシカ

森の全てが雨氷に覆われ、森は宝石のようにキラキラと輝いています。一夜にして魔法にかけられたかのような森のなかへと、誘い込まれるように森の奥、奥へと入って行きます。時間のことなど忘れて夢中になって動物たちを探し続けました。この森のどれもが美しいのですが、五感で感じる以上のものを映像で伝えることは難しいと歩きながら薄々感じていました。この先、こんな光景にあと何度出合えるのでしょうか、自然の神秘さに感動し、改めて畏敬の念を抱く一日でした。
雨氷 オジロワシ

一昨日の雨が美しい自然の光景をもたらせてくれました。
また、雪の日に タンチョウ

吹雪や大雪予報の前日は、
不漁とともに オジロワシ

昨年の秋鮭漁や今季の氷下待ち網漁の不漁もあって道東の海鷲の数が明らかに少ないように感じます。例年だと風蓮湖の漁場周辺の氷上が海鷲の黒で一色に染まるのですが、今季はその光景が見られません。近年、不漁が続く北海道の海ですが、それに伴って動物や鳥たちの動向も変化しているように感じます。
「情熱大陸」ご視聴ありがとうございました
皆様、「情熱大陸」を御視聴いただき有り難うございました。
小雪舞う森のなかで エゾシカ

小雪舞う森に入って間もなく、
春の気配 オジロワシ

先日の大型の低気圧が暴風雨をもたらせ、風蓮湖は季節外れの解氷が進んでいます。
「エゾシカ Hokkaido Sika Deer」フォトギャラリーを更新しました

2010年の初夏、お腹の大きさがひときわ目立つエゾシカに出合いました。森の中から出てきたこの母鹿は、とてもつらそうに横になったり立ち上がったりと落ち着きがありません。そのあわただしい様子から出産が間近であることを直感しました。母鹿の警戒しない距離までそっと近づき、じっとその瞬間が来るのを待つことにしました。2時間ほど経った頃でしょうか、太陽は西へと傾き、斜光が降り注いでいます。苦しそうな母鹿が力をふりしぼって立ち上がった瞬間、胎盤とともに草原に新しい生命が産み落とされました。産み落とされた瞬間、仔鹿は全く微動だにしませんでしたが、必死になめる母鹿に応え、息を吹き返すように動き始めました。やがて仔鹿はよろめきながら立ち上がり必死にお乳を探し飲み始めました。太陽がオホーツク海に沈み暗くなり始めると、仔鹿は母鹿の後を追って、おぼつかない足取りで森へと密やかに消えて行きました。
今まで動物の出産に立ち会ったのは、このエゾシカの親仔だけです。もう10年ほど前の事ですが、知床を訪れる度に今も鮮明に当時の感動がよみがえってきます。そんな生命溢れていた知床が、今は懐かしく思えます。
「情熱大陸」に出演します
2月21日(日)23時放送予定の毎日放送「情熱大陸」に出演します。これまで自ら発信することがなかったフィールドワークやライフスタイル、動物や野鳥を撮影するまでのプロセスを臨場感溢れる映像とともにお伝えできると思いますので、是非ご覧ください。
大切な時間 エゾモモンガ

日没後にアカゲラが掘ったと思われる巣穴からエゾモモンガが顔を見せてくれました。これまで何度も巣穴から顔を出す瞬間を見つめてきましたが、何度その瞬間に出合ってもときめく気持ちは変わりありません。この日はこの巣穴から4匹が次々と顔を見せてくれました。巣穴に入っているのかどうか、自分の直感を信じ一人待ち続ける時間も大切な時間だと感じています。
夕暮れの森 エゾモモンガ

写真はエゾモモンガのお決まりの可愛らしいポーズですが、
再会 ハクトウワシ

昨年に続いて、今年もハクトウワシと出合うことができました。
「EZO RED FOX」フォトギャラリーを更新しました

これまで山の頂から海沿いまで多様な環境でたくましく生きるキタキツネの姿を撮影してきました。あらゆる環境に順応し、優れた5感で狩りをするキタキツネは、僕にとって魅力的な野生動物のひとつです。季節を問わず豊かな表情を見せてくれるキタキツネですが、特に仔育ての時期は思いもよらないドラマティックな生命の物語を見せてくれます。母と仔、これほどまでの強い絆で結ばれていることに何時も感慨深い思いにさせられ胸が熱くなります。そんな彼らの生きる姿を、すこしでも想像していただけたら幸いです。「EZO RED FOX」
思いがけない出合い サンピラー

深い雪が積もる森のなかで3日間エゾユキウサギの足跡を辿り探し
極寒に生きる 雀

僕にとって、雀もカラスも大切な被写体です。
粉雪舞うなかで 花鶏(アトリ)

粉雪が舞うなか、花鶏(アトリ)
降雪のあと エゾリス

北の森は強い寒気が弱まり寒さがやわらいでいます。
吹雪のなか エゾフクロウ

未明から慌ただしく除雪車が行き交う町を抜けて、
月光夜 タンチョウ

近年、稀に見る厳冬を迎えています。
新年のご挨拶

昨年はコロナで始まり、
毛嵐(けあらし) タンチョウ

気温は氷点下23度、今季最も冷え込んだ朝を迎えました。
カラスの出現 エゾフクロウ

この初冬に出合ったエゾフクロウの森へ、再び足を運びました。
冬至の朝 タンチョウ

この数日、氷点下20度に迫る厳寒の朝を迎えています。
再び、シマフクロウの森へ

氷点下15度前後の朝を連日迎えるなか、
樹洞 エゾフクロウ

春から北の森の動物や鳥たちの撮影を続けています。
厳しい冬のはじまり オオハクチョウ

早くも北海道東部の湾内沿岸や河川が凍結しています。
夜の森のハンター エゾフクロウ

落葉した森のなかは、しばらく日没後も薄明かりが続くのですが、
至福のとき エゾフクロウ

北の森はこの数日氷点下10℃近くの寒さが続き、
初めての冬 エゾモモンガの仔

一月ぶりに春から通い続けているエゾモモンガの森に足を運びまし
静かな冬のはじまり オオワシ

道東の海岸沿いを車で走っています。
夕空 オオハクチョウ

茜色に染まった水面でオオハクチョウの群れが羽を休めていました
孤高に生きる エゾシカ

雪の日の夕暮れ刻、
冬のはじまり

朝起きるとシベリアからの強い寒気の影響で、
安息の地 ハクチョウの親仔

白鳥の親仔が遥かシベリアから越冬地への旅の途中に湖沼で羽を休
朝の静寂

晩秋の朝の静けさほど心地好く、
晩秋の森 シマフクロウ

毎朝、肌を刺すような寒さを迎えています。寒空の彼方にはV字編隊を組んだ白鳥が喉を鳴らしながら雪化粧した
真夜中の決闘 エゾシカ

真夜中の森のなかで、突然乾いた鋭い音が響き目を覚ました。
山のキツネ

夏にはこの森で出合うことが少なかったキタキツネを、
雲海の朝 ミヤマカケス

この数日、明け方に0度まで気温が下がり、
魔法の森

魔法にかかったかのように、この森の虜になっています。
一日中獣道を辿り、
秋深まる渓谷

都会は多くの色で賑わっていますが、
夜の森 エゾモモンガの子供

日一日と深まる秋とともにエゾモモンガの子供たちもすくすくと成
冷たい雨 シマフクロウ

冷たい雨が降り続いています。
仕事や立場が違うと、
朝陽の出合い エゾシカの親仔

夜の撮影を終えた帰路の途中、
色づく森 エゾモモンガの子供

秋真っ盛りの紅や黄色に染まる森も美しいですが、
初秋の森で エゾモモンガの子供

夏鳥の多くは南へと旅立ち、
オ二グルミとエゾリス

夏日が続く北の森ですが、季節はゆっくりと進んでいます。
別れの時 エゾライチョウ

先週までの暑さが嘘のような寒い朝を迎えています。
もう間もなくするとエゾライチョウの親子にも別れの時がやってき
森の神 シマフクロウ

北海道では「お盆が過ぎれば秋」と言われていますが、
南へ アマツバメ

黄金色に染まった空の下で無数のアマツバメが飛び交っています。
無数の爪痕 ヒグマ

北の森も連日の真夏日が続いていますが、
2度目の繁殖 エゾユキウサギ

早朝、
夏鳥の減少 ハチクマ

晴れ間が少なく低温が続いていた北海道ですが、
ヤマゲラの子育て

朝露のついた草原でヤマゲラの親子が地面を掘り起こして昆虫を採
ハプニング アカハラの子育て

朝の森のなかでアカハラが巣立ちした雛鳥に餌を運んでいました。しかし、
白樺 アカゲラの巣立ち

新緑の季節、白樺の新芽は鳥や動物たちの餌となり、
ルピナスの咲く草原 ノビタキの子育て

風が吹くとドロノキの綿毛が牡丹雪のように舞っています。
森の天敵 エゾモモンガの子供

この日も日没前からエゾモモンガの子供が巣穴から顔を覗かせまし
小さな生命 エゾライチョウのヒナ

この日、クマゲラの影を追って森の奥へと入っていました。
クマゲラの巣立ち

この日、
蝦夷梅雨 クマゲラの子育て

北の森は連日のように厚い雲が広がり雨を降らせています。
夏至 エゾモモンガの親子

夏至は夜行性の動物たちにとって活動時間が最も短い日です。
ひそやかに ヤマゲラの子育て

今朝は森のなかでヤマゲラの甲高い鳴き声で目を覚ました。
出産間近 エゾシカ

6月に入って仔連れの雌鹿を目にするようになりました。
いまこの時間にもどこかの森のなかで生命が誕生し、
渓流で子育て中 カワガラス

いま山深い森に原生的な自然を求めて入っています。そんな森のなかにある琥珀色の川床が美しい渓流でカワガラスが子育てに追われていました。親鳥が交互に稚魚や水生昆虫を巧みに捕らえ運んでいるのですが、少し様子が違っています。給餌をする前に小岩や倒木の上で尾羽を上下に振り、しばらく鳴いているのです。餌を運ぶたびに見せるその行動から巣立ちを促しているのがわかります。あと数日で、この渓流にも雛鳥が姿を見せてくれるでしょう。
霧の朝 エゾライチョウ

初夏を迎えた森は鳥たちの囀ずりが少なくなってきました。
きずな キタキツネ

ミズナラの大木の下で生まれた仔ギツネは、
春紅葉

新緑のみずみずしい若葉の美しさは、緑色ばかりではありません。秋の紅葉のように多彩な色が春の山や森を彩っています。芽吹き始めたばかりの葉は、まだ緑色が薄く、光合成が活発になるまでの短期間に本来の色素である赤や黄色が見られるものがあります。秋の紅葉と同様に新緑も本当に美しいのは1日か2日。北国の季節は慌ただしく移ろいでいきます。
高層湿原

雨上がりの森は植物の甘い香りで包まれています。冷涼で高湿な場所に自生しているせいか、まだミズバショウが綺麗に花を咲かせています。やがて霧が晴れ、日差しが注ぎはじめると森の奥からコマドリやトラツグミの声が聞こえてきました。木々の隙間からはエゾシカの警戒した表情が窺えます。いつもこの森を訪れる度、ふかふかの絨毯のようなミズゴケに覆われた林床を悠然と歩くヒグマを想像します。
森の歌姫 ミソサザイ

今、この森で甲高い美声を競い合うように鳴き交わしているのがミソサ
春の息吹 キタキツネ

北の森はあらゆる生命が冬の間に蓄えてきたエネルギーを一斉に発し、春の息吹で満ちています。林床の植物は日一日と緑濃くなり、
春の営み 雀

春の陽気のなか、雀の雌雄が忙しく巣材運びに追われています。巣作りも完成間近のようで、綿のような柔らかい材質を運び始めています。きっと上質な寝床に仕上がっているのでしょう。この数日、巣作りの合間に繁殖行動も見られました。雀の雌雄は仲睦まじく、いつも一緒です。もう間もなくすると抱卵に入ります。
春の雪 コハクチョウ

しんしんと降り続く牡丹雪が、春めいてきた景色を冬へと後戻りさせました。雪降るなかもコハクチョウの群れは繁殖地のツンドラを目指してV字編隊を組み、喉を鳴らしながら北へと渡って行きます。
北帰行 コハクチョウ

大雪山の裾野に広がる田園地帯からコハクチョウの姿が消え、雪解けた田畑は農作業の準備で賑わっています。いまコハクチョウの群れは更に北へと移動し、宗谷地方の湖沼に姿を見せています。もう間もなくするとオホーツク海を越えサハリンへと渡り、それから更に約1ヶ月かけて繁殖地である北シベリアのツンドラへと長い旅を続けます。
春の陽気 エゾユキウサギ

静かに春の日差しが山麓の森の雪解けを進めています。森の小鳥たちの囀りも一段とにぎやかになってきました。この森に棲息するエゾユキウサギも春の陽気に誘われて木陰でうとうとと眠っています。しばらくして目を覚ましたエゾユキウサギは前足を使って顔のグルーミングをした後、カンジキのように大きな後ろ足を入念に舐め始めました。春の陽気は冬の間に張り詰めていた動物たちの緊張を少しずつ緩めていきます。
冬をさがして エゾユキウサギ

先日、早春を彩る福寿草が黄金色の花を咲かせていました。北海道にも春が近づいています。大雪山の裾野に広がる田園地帯は雪解けが進み、ハクチョウたちが落穂を目当てに集まっています。そんななか、名残惜しい冬を探してまだ雪深い山麓の森へとスキーを履いて入ることにしました。雪の上には多くの動物たちの足跡が残っています。キタキツネにエゾユキウサギ、エゾクロテンやエゾリスにネズミ類、エゾライチョウのものまで色々見られます。その中から真新しいエゾユキウサギの足跡を辿って1時間ほど歩くと足跡の主がようやく姿を見せました。雪より白い冬毛を纏ったエゾユキウサギがじっと座り込み、此方の様子を伺っています。私はスキーをゆっくり静かに滑らせ距離10mまで近づきましたが、動く気配はありません。その表情からすこし眠そうに感じられます。ナキウサギもそうですが時々このように警戒心の弱いウサギに出合うことがあります。山麓では、あともう少し冬を楽しめそうです。
ハクトウワシの越冬 北海道・風蓮湖

時に自然は思いもよらぬ幸運を運んでくれます。毎年訪れる冬の風蓮湖。本来北米に生息するはずのハクトウワシとの出合いは、私に運命的なものすら感じさせました。その美しい姿に引きつけられるように、風蓮湖から姿を消す2月下旬までそのハクトウワシを追い続けました。オオワシやオジロワシの海鷲の群れのなかで、1羽だけ違う姿のハクトウワシは力強く生きていました。
ハクトウワシとオオワシの攻防 北海道・風蓮湖

ハクトウワシはアメリカの誇り高き国鳥です。しかし自ら狩りをする事が少なく、オオワシやオジロワシと同様に他の動物や海鷲から獲物を奪うことが多く、その習性からスカヴェンジャー(死肉の掃除屋)とも呼ばれています。今回観察した風蓮湖でのハクトウワシの生態は、非常に興味をそそるものでした。当初、想像していた魚を得る方法は、自ら氷上に下りて氷下待ち網漁の雑魚を得るか、それとも体長が同等のオジロワシ、もしくは小さなトビから奪うものだと思っていました。しかし多くの場合、魚を持つオオワシに上空で果敢にアタックしているのを確認しました。体がひとまわり大きく飛翔能力の高いオオワシから魚を奪うことは、容易ではありませんでしたが、粘り強くチャレンジを続け能力の限りを尽くして魚を得ていました。大空で繰り広げられるハクトウワシとオオワシの攻防は、神々しくそして強い好奇心をかきたてる夢のような光景でした。
霧氷の湿原 エゾシカ

北海道の平地では冬の終わりが近づいています。雪解けも進み、湖は解氷をはじめました。早くも多くのハクチョウたちが南から羽を休めに集まっています。今季は少雪のため、山から植物を求めて風衝地に下りてくるエゾシカが少なかったように思います。今朝も薄暗い時間帯に山の方へと戻っていくエゾシカの群れを見かけました。今年は春が早そうです。
雪原の舞踏会 タンチョウ

この日は一日中、晴れの予報でしたが夕方近くになると雪が降ってきました。そんななかタンチョウたちが、まるで雪を喜んでいるかのように舞いはじめました。雪のなかで求愛のダンスをするタンチョウたちは、優美でいつも見とれてしまいます。
厳寒の造形 藻琴山

降雪のあと屈斜路湖を取り巻く外輪山の最高峰、藻琴山に向かいました。稜線は10m以上の風が吹き、雪煙が次々と舞い上がりながら樹木を包み込んでいきます。ここが風衝地であることが、風雪に耐えるダケカンバの幹の形状からよく分かります。聞こえてくるのは、風が雪面を削る音と樹氷を纏った枝がぶつかり合う音だけです。動物たちの気配は感じられませんでしたが、しばらく進むとエゾユキウサギの丸く茶色のフンを見つけました。足跡は雪煙で消されていましたが、状況から明け方近くのものだと思われます。その姿を見ることは出来ませんでしたが、厳寒に耐えるユキウサギを想像することができました。
求愛の季節 タンチョウ

いま給餌場に集まっているタンチョウたちは、もう一月もしないうちに越冬を終え繁殖地へと帰っていきます。今季は暖冬のせいか、早くも繁殖地にタンチョウのつがいが戻ってきていました。これから求愛の季節を迎え、優雅なタンチョウのダンスが道東各地で繰り広げられることでしょう。
月光夜 オオハクチョウ

月光注ぐ穏やかな夜、群れから離れた1羽のオオハクチョウが水辺で羽を休めていました。目をつむり眠っているように見えますが、常にキタキツネなどの天敵に神経をとがらせています。気にかけるのは天敵ばかりではありません。厳寒の夜には、水辺で羽を凍らせてしまうことがあるのです。もう何年も前のことですが1度だけその光景を見たことがあります。一見すると夜は、オオハクチョウにとって羽を休める安らぎの時間のように感じますが、寒夜を越すことは命がけなのです。
冬の小さな来訪者 ベニヒワ

越冬のために北方からやってきたベニヒワと3年ぶりに出合いました。毎年冬になると全長13cmほどの小さな冬の来訪者を探してまわるのですが、近年その姿を見ることが少なくなってきました。40羽ほどの小さな群れだったのですが、出合えて幸運でした。出合う度にいつもこの小さな体のどこに、遙か遠方から渡ってくるエネルギーがあるのだろうかと、いつも感心しながら見つめています。小雪降る早朝、私のことなど気にせず道ばたに生える植物の種子を夢中に食べていました。その姿に、いつも勇気をもらいます。
新雪の朝 エゾリス

夜明け前からエゾリスが深い新雪のなかをもぐったりジャンプをしたりと数匹で追いかけっこをしています。樹上からはやわらかい雪の塊がエゾリスが移動する度に降ってきます。大雪が降った後のように私の体は、もう真っ白です。雪が降った朝の森は、エゾリスたちが久しぶりの雪を楽しんでいるかのように賑わっていました。
モノクロームの世界 釧路川

今、この時期になっても北海道は暖冬が続いています。そのために大雪山山麓も記録的な少雪が続いています。雪の下で眠っている動物たちが、すこし心配です。たくさんの雪が保温材になって温かい寝床になっているのですが・・・これだけ雪が少ないと動物たちも一大事です。そんなことを思いながら三国峠を越えて北海道東部に入ってきました。今朝は氷点下19℃まで冷え込み、釧路川流域はモノクロームの世界に包まれました。日の出前からシマエナガの群れが囀りながら樹木を渡りあるいています。少し離れた林でクマゲラが喉を鳴らしながら飛翔しているのがわかります。厳寒のなかも動物たちは力強く生きています。
凍れた朝

夜明け前の河畔林を、朝霧がゆっくりと包み込んでいきました。寒気の影響で氷点下16℃と、この時期らしい冷え込みです。やがて太陽が昇り、間もなくすると霧が生き物のようにゆらゆらと動き始め、目の前に白銀の世界がゆっくりとあらわれました。そのなかを、キタキツネが早足で臭いを嗅ぎながら上流の方向に向かっています。きっとお腹を空かせているのでしょうね。その様子を見えなくなるまで見つめていました。
晩秋の森

大雪山の裾野に広がる森は例年にない長い期間、美しい紅葉を見せてくれています。これも温暖化の影響なのでしょうか。どこか緊張感のない暖かい晩秋を迎えています。8月下旬に大雪山の稜線で始まった紅葉前線は、平地まで駆け下りてきました。紅や黄色、それぞれ一色に染まる紅葉のピークも美しいですが、落葉間近の多彩な色を纏った森も、また惹かれます。今、そんな森ではミヤマカケスがドングリを落ち葉の下に忙しく貯食しています。今季はドングリが豊作のようです。
出合い ジュウジギツネ

大雪山山麓の森は例年に比べ雪の少ない状態が続いています。寒気と暖気がくり返しやってきて、生活するには良いのですが何となく物足りない思いで過ごしています。そんな思いを引きずりながら山麓の森にスノーシューを履いて入ってみました。小鳥のさえずりも少なく森は、静まりかえっています。しばらく散策すると見慣れない動物と出合いました。はじめはタヌキかと思っていたのですが、近くまで寄ってみると、どうも違うようです。それは冬毛を纏った美しいジュウジギツネでした。知床の森では何度か見たことはあったのですが、大雪山の山麓では初めてです。森を歩いていると、いつも思いがけない出合いや発見があるものです。
雪降るなか アカゲラ

強い寒気が北海道に連日の雪をもたらせています。そんななか、朝の森を歩いていると樹上から湿った雪の塊が落ちてきました。見上げてみるとエゾリスが横枝の根元でクルミを両手で大切に持ち、これから食事をするところでした。今年の夏の終わりに貯食したクルミなのかは分かりませんが、これから訪れる雪深い季節を越えるために貴重な栄養源になっています。それから間もなくすると、アカゲラが木々を渡り歩いて目の前までやってきました。鋭いくちばしで樹皮を突っついて昆虫類を探しているようです。雪降るなか、動物たちも力強く生きています。
ミズナラの森 エゾフクロウ

北海道の平地でもようやく初雪が降り、この時期らしい寒さがやって来ました。毎年この季節になると、決まったようにミズナラの巨木が群生する森を散策します。今年の9月上旬に訪れた時には、ヘルメットを被りたくなるくらいにドングリが次々と落ちてきました。今、それを目当てに多くの動物たちが集まっているのが、雪の上に残る足跡からわかります。1番多いのはエゾシカの足跡で雪と枯れ葉を掘り起こして食べています。今季は、たくさんの栄養を蓄えることができるでしょう。今回、森に入った1番の目的はエゾフクロウを見つけることです。以前から目星をつけていた洞には居たり居なかったりと、年や季節によって異なります。この森に数カ所ある洞を確認して回っていると、一羽のエゾフクロウが目を閉じ、気持ち良さそうに休んでいました。今季はこの周辺が餌場になりそうです。夕暮れ近くになると、辺りの林床からはネズミが枯れ葉のなかを動く音が聞こえてきます。11月は、エゾフクロウが1年の中で最も狩りをし、脂肪を蓄えると言われています。
冬眠前 シマリス

先週から雪虫が飛び始め、平地でも朝は氷点下まで気温が下がるようになってきました。大雪山の山腹は紅葉のピークを終え、駆け足で山裾へと下りています。今、この山域を生活圏とするシマリスは、真っ白い実(シラタマノキ)ばかりを頬ばっています。この実は甘く、ほんのり湿布薬のような香りがするのですが、それほど栄養素が高くはありません。本来ならこの時期、栄養素の高いハイマツの実を好んで食べているのですが、今季は希に見る不作のようです。もう間もなく冬眠に入るシマリスですが、それまでしっかり脂肪を蓄えて、来春も元気な姿を見せてくれることを願っています。
山麓の森のなかで エゾライチョウ

大雪山の裾野から伸びる田園地帯の稲刈りも終わりに近づいています。風に揺れる黄金色と濃い緑のパッチワークが映える光景もあっと言う間に消えて、晩秋の殺風景な景色が広がりはじめました。そこから少し足を伸ばした森の中で、繁殖期の春ほど大きな鳴き声ではありませんが、エゾライチョウが鳴いていました。鳴き声を頼りに近づいてみると、此方を気にせず林床の植物の種子をついばんでいます。本来、警戒心の強いエゾライチョウですが、来るべき季節に備え秋の実りを必死に蓄えているのでしょうね。北海道の秋は、人も動物たちも慌ただしく生きているように感じられます。
冬のはじまり シマリス

先日、大雪山の峰々をオオハクチョウの群れが、喉を鳴らしながら北から南の空へとV字編隊で越えていきました。繁殖を終えたシベリアから、越冬のため南へと渡ってきたのです。それから数日後、シベリアから張り出した寒気が大雪山に雪をもたらせました。吹雪の間、じっと巣の中で身を潜めていたシマリスは、2日間ほどで変わった景色に少し戸惑っているようです。まだ冬の蓄えが終わっていないのか、植物を探し雪原の中を駆け回っています。山の上に生息するシマリスは、あと一月もしないうちに長い長い冬ごもりに入ります。
貯食行動 エゾナキウサギ

10年ほど前によく通った大雪山系にあるエゾナキウサギの生息地を久しぶりに散策した。記憶をたどりながら沢筋のガレ場に足を踏み入れて間もなくすると、エゾナキウサギのお出迎えがあった。2~3度岩の上で鳴くと、周辺に生息する植物の葉を岩の下にある貯職場へと運びはじめた。これから10月下旬にかけて、冬に備え忙しく植物を運ぶ力強い姿が見られるだろう。
秋色 シマリス

大雪山の稜線付近の高山植物は早くも秋色へと変わり、コケモモやガンコウラン等の秋の実りを目当てに動物や鳥たちが忙しく駆け回っている。日一日と濃くなる秋色は一月ほどで山裾まで駆け下り、今月下旬には雪化粧した山容が見られるだろう。
ひと雨ごとに ヒグマ

北の森ではお盆を過ぎると、ひと雨ごとに季節が秋へと移ろいでいく。秋は冬眠に備える動物たちにとって大切な季節。静かな場所でしっかりと栄養を蓄えて欲しいと願う。
真夏日 エゾシカ

燦々と照りつける夏の日差しのなか、初夏に生まれたエゾシカの子供が森のなかで母ジカの帰りを待っていた。産まれたばかりの子ジカの体重は6kgほどと、小さく頼りないが日一日とすくすく成長し、いま森の中を勢い良く走りまわっている。
エゾユキウサギ

早朝、白樺の幹が目立つ森はカラ類の囀りで賑わっていた。緑萌ゆる林床は朝露できらきらと輝き、50mほど離れた木陰からエゾシカの親子が不安そうに顔を覗かせていた。しばらく森のなかを進むと、夏毛に換毛したエゾユキウサギが周囲の環境に溶け込みじっと身を潜め休んでいた。
木漏れ日のなかで キタキツネ

まだ雪が残る4月下旬に巣穴から初めて顔を見せた仔ギツネが、森の中で母ギツネの愛情を受けてすくすくと育っている。母ギツネが給餌した蛇やネズミを3匹の兄弟が取り合ったり、遊んだりと元気よく駆け回っている。子別れを迎える秋まで多くのことを、この森で学び成長していく。
巣立ち前 クマゲラ

原生林の森にクマゲラの鳴き声が響き渡っていた。この時期に繰り返される鳴き声は、ヒナ鳥への巣立ちを促すものだ。その行動は巣立ちに向けて日に日に強くなり、ヒナ鳥への給餌も少なくなってくる。間もなくこの周囲からクマゲラの鳴き声が無くなるだろう。
密やかに コサメビタキ

気温が上がりはじめると体長13cmほどのコサメビタキが、緑深い林から姿を現せた。木陰を飛び交う昆虫をじっと枝先から見つめた後、目当ての昆虫を飛翔し捕らえヒナ鳥が待つ樹上の巣へと忙しく運んでいた。
子リスの冒険 エゾリス

緑濃くなる森では、エゾリスの子がすくすく成長している。好奇心旺盛な子リスは樹上にある巣穴から顔を出し、少しずつ行動範囲を広げている。時には樹上から落下したりと失敗しながら多くのことを学んでいく。
森の小さなハンター ハイタカ

今まで賑わっていた森が、突然静まりかえった。この数日、樹上を旋回するハイタカを目にする度に小鳥たちの囀りが少なくなり、森に張り詰めた空気が漂っていた。ハイタカは日一日と色濃くなる樹冠を縫うように飛翔し、横枝に止まるとじっと森の彼方を見つめていた。
美しい囀り キビタキ

朝から気温が上がり例年にない熱気が、北の森を包み込んでいる。しかし、そんななかでも小鳥たちの美しい囀りは、森中に響き渡っている。なかでも一際、美しく囀っているのはキビタキのオス。毎年、この囀りを楽しみに初夏を待っている。
「BEAR LAND」フォトギャラリーを更新しました

4月の上旬、
想像してみてください。
萌ゆる春

山麓の森を春色に彩っていた山桜の花びらも散り、季節は駆け足で移ろいでいる。エゾリスは冬毛から夏毛へと生え変わり、これから向かう季節への準備をしている。北の森は南からの渡り鳥も集まり、多彩な音で賑わいはじめている。
つながり 大雪山 シマエナガ

鋭い刃物で切断されたようなエゾユキウサギの食痕から滴る樹液を目当てにシマエナガがやってきた。自然界には無数にこのような小さなつながりが、密やかに繰り広げられている。
森のスプリンター 大雪山 エゾユキウサギ

エゾユキウサギは、天敵キタキツネを上回る瞬発力をもつスプリンターだ。特に雪の上では、カンジキのような大きな足で、あっと言う間に森の彼方へと消えていく。逃げ足時の歩幅は2m~2、5mあり、体長50cmほどの小さな体からは、想像出来ない跳躍力だ。
森の剪定屋 大雪山 エゾユキウサギ

樹林のなかに続くエゾユキウサギの真新しい足跡を辿ると、雪の重みで倒れたカンバ類やハンノキの若樹と樹皮を採餌しながら移動しているのがわかる。足跡を1時間ほど辿っても天敵キタキツネの足跡は見当たらず、食痕や歩幅からリラックスしている様子が目に浮かんでくる。それと同時に直感的にエゾユキウサギとの距離が近いことを感じた。それから間もなく、ハンノキの根元に潜むエゾウサギに出合うことができた。過酷な環境で生きているにも関わらず、その表情はなんとも穏やかで、そして気品に満ちていた。
春の気配 大雪山

照りつける強い陽光が大雪山の長く厳しい冬に終わりを告げ、ようやく春へとゆっくり進みはじめた。春の気配を待ちわびていたかのように、キタキツネやエゾユキウサギの足跡が樹林から稜線へと続いていた。
雪上の足跡 大雪山 エゾユキウサギ

新雪が降ったあとの雪原に、エゾユキウサギの足跡が樹林へと続いていた。その足跡を辿るとキタキツネが姿を見せ、足跡を追うように樹林へと消えていった。
捕食者であるキタキツネは、鋭い嗅覚と足跡を頼りにエゾユキウサギを追い続ける。命の攻防は、僕らの知らぬ世界で連綿と続いている。
優しい音色 大雪山 ウソ

ふと立ち止まると、口笛を吹くような優しい囀りが夕暮れの森を包みこんでいた。双眼鏡で声の主を探すと数羽のウソが、トドマツの樹上で鳴き交わしている。丸一日、雪上に残るエゾユキウサギの足跡を追った疲労を忘れさせてくれる優しい音色にしばらく聴きほれていた。
新雪の朝 大雪山 キタキツネ

朝、目を覚ますと15cmほどの新雪が降り積もっていた。森林限界付近の森は、霧と雪で白一色の世界が広がり、その中をキタキツネが獲物を追っている最中なのか、低姿勢で足早に通りすぎていった。
ファッション雑誌「Fine」に写真が掲載されています
ファッション雑誌「Fine ファイン」5月号(日之出出版)に大雪山で撮影したエゾシカの写真が掲載されています。是非、ご覧ください。
北帰行 オオハクチョウ

春の日差しと風が湖沼や河川の解氷を進め、オオハクチョウの群れが南から続々と集まっている。しばらく羽を休めて4月半ばには、繁殖地のシベリアへと約3千kmの旅に出る。
まだまだ、大雪山は白銀の世界 ギンザンマシコ

春の兆しが強くなった道東エリアを離れ、大雪山へと移動した。標高1500m付近の森林限界は、白一色の世界が広がり、まだ長い冬は続いている。氷点下13℃の凍てつく冷気のなか、ギンザンマシコの少群が針葉樹の森を餌を求めて移動していた。
春のめぐみ エゾリス

森の樹木も冬眠状態から目覚め、春の芽吹きに向けて準備をしている。根から大量の水を吸い始めたカエデやシラカバの幹からは、樹液が滴っている。森の動物や鳥たちは、ミネラル豊富な樹液を目当てに集まり、春のめぐみを喜んでいるようだ。
流氷接岸 根室半島

2年ぶりに根室半島に流氷群が接岸した。早朝から繁殖期を迎えた水鳥たちの甲高い鳴き声が、流氷の海に響き渡っていた。
恋の季節 エゾモモンガ

早春の森の中をエゾモモンガがメスを求めて滑空し、忙しく活動していた。本来夜行性のエゾモモンガも繁殖期を迎えた数日間、カラスや猛禽類等からの捕食のリスクをかえりみず日中に活動する。5月上旬には、樹洞内で2~5匹の生命が誕生するだろう。
雪原のハンター キタキツネ

駆け足で春へと進んでいた道内だが、大型低気圧が再び白銀の世界をもたらせた。ぼたん雪が舞うなか、キタキツネが雪の下を移動するネズミを感じとり、頭から雪原にダイブした。特殊な能力をもつキツネでも、狩りの成功率は高くはない。
角突き エゾシカ

秋、メスをめぐり争うオス鹿は70cmほどの大角を振りかざし、繁殖行動を勝ちとる。この頃になるとオス鹿は目が充血し鼻息も荒くなるので、近づくのをためらうこともある。角突き行動は繁殖期だけではなく、角が落ちる春まで続く。今、この季節に見せる角突きは、若いオス鹿が遊びで行うことが多いが、大角の成獣が餌場をめぐるテリトリー争いで激しく戦うこともある。
湖上の道 エゾシカ

1月下旬から長く続いた大寒波で風蓮湖は広範囲にわたり結氷したが、連日続く暖気の影響で勢い良く解氷が進んでいる。早くも北帰行を始めたオオハクチョウは、シベリアへの旅支度のため羽を休めにやってきた。氷上に無数に続くけもの道も、今月中には消えてなくなるだろう。
晩冬の朝 キタキツネ

夜通し餌を求めて動き回り疲れたのか、それとも厳寒に耐え丸まっているのか定かではないが、陽が昇ってもぐっすり休むキタキツネ。早ければ今月下旬に土穴で3~5匹(通常)の生命が誕生する。
恋の季節 エゾリス

北の森は日一日と雪解けが進み、日差しもすっかり春らしくなってきた。朝から森は、恋の季節を迎えたエゾリスたちが忙しく樹林を駆け回っている。4月には樹上で新しい生命が誕生する。
スズメの越冬

道内は小雪が舞い、まだ寒い朝が続いている。スズメたちは羽毛を膨らませ群れになって暖をとり、厳冬を越す。春はもう少し先になるだろう。
全面結氷 摩周湖

結氷し始めた摩周湖に一週間ほど足を運んた。毎日のように氷面は多彩な表情を見せ、幻想的で美しい光景が流れるように過ぎていく。月明かり注ぐ穏やかな夜を越えると、摩周湖は全面結氷していた。
サンピラーとダイヤモンドダスト 摩周湖

強風が吹く極寒の朝、摩周湖の外輪山に太陽が顔を出すと結氷した湖面にサンピラーが降り注ぎはじめた。流れる雲に時折遮られながらも幻想的な世界は1時間ほど続いた。
ダイサギの越冬 釧路湿原

近年、道南や道央エリアで越冬するダイサギの個体数が多くなっているようだが、道東エリアで目にすることは少ない。日一日と寒さが厳しくなるなか、ダイサギは全面結氷間近にある湖沼の河川流入域で、周りの景色に溶け込み魚を狙っていた。
氷点下28℃の燃えるような朝 釧路湿原

連日氷点下25℃前後の寒い朝が続いている。釧路湿原を縫うように流れる釧路川は、気嵐が立ち上がり幻想的な表情を見せる。太陽が顔を見せると気嵐は、炎が燃え上がるように河畔林を紅く包み込んでいった。
オジロワシとハシブトガラス 釧路湿原

季節を問わずオジロワシの近くには、カラスが何時も付いて回っている。特に餌の少ない冬には、森林や湿原でその姿を見かける事が多い。カラスはエゾシカなど動物の屍を見つけても、分厚い毛皮を剥ぎ取り肉にありつくことが出来ない。そこでカラスは群れになって樹上で鳴き騒ぎ、鷲やキタキツネを呼ぶ。やがて鷲の採餌が始まると隙を見ながら肉の破片を食べる。カラスは食べ物の場所を教える代わりに、楽に御馳走にありつけることを分かっているのだろう。一見、鷲にとっては厄介者のカラスにみえるが、厳しい冬を乗り切る大切なパートナーだと感じる。
厳冬のオアシス 釧路湿原 オオワシ

厳冬期になり多くの湖沼や河川が結氷するなか、数少ない水場に水鳥が採餌や水浴びのためにやってくる。それを目当てにオオワシやオジロワシが現れ、樹上でじっと狩りのタイミングを待ち続ける。夕暮れ近くになるとオオワシが樹上から飛び立ち上空を旋回すると、一気に水面へ急降下した。勢い良く水しぶきをあげた鉤爪には、しっかりとアメマスを捕らえていた。
サンピラー 釧路湿原

氷点下18度の風のない朝、釧路湿原に太陽が昇ると光の柱は忽然と現れ、粉雪が舞うように煌めきはじめた。
冬の嵐 シロカモメ

この日は昼まで青空が顔を見せ、氷上で休むアザラシの撮影が出来るほど穏やかな海だった。しかし低気圧がオホーツク海へ抜けると、海沿いは次第に風雪が強まり始めた。夕暮れ近くになると立っていられないほどの暴風雪へと変わり、やがて辺りはホワイトアウトとなる。そんななかもカモメたちは、自由自在に風に乗り飛び交っていた。
ダイヤモンドダストが煌めくなかで / ハシブトガラ ・ 釧路湿原

凍った冷気が陽光で温まると、ハシブトガラの群れが樹々を忙しく飛び交い始めた。その中の一羽が、煌めくダイヤモンドダストを見つめるように梢にふと立ち止まった。
雪のあと エゾフクロウ

昨晩に降った雪で森は、すっぽりと白に包まれた。明け方まで洞のなかに入っていたエゾフクロウは、森に陽が差し込み始めると顔を出し、うとうとと気持ち良さそうにまた眠りについた。
霧氷の森 釧路湿原

風が止み氷点下15度の朝を迎えると、釧路川流域の河畔林は霧氷に包まれた。やがて陽が昇るにつれ、モノクロームの景色へと変わっていく。しばらくすると密生するヨシ原の隙間を縫うように移動するエゾシカが顔を出した。
御神渡り 釧路湿原・塘路湖

山間にある塘路湖の氷上で、夕暮れから日の出まで「御神渡り」の撮影を続けた。日没から薄暮までの間、氷の表情は刻々と変化し1時間あまりで天上に星が瞬きはじめた。突然、歪みによって起こる氷上の轟きと揺れに驚いていると、遠くの湖畔林からキタキツネの鳴き声が聞こえてきた。もうそろそろ恋の季節を迎えるころだ。
凍結湖 釧路湿原国立公園・塘路湖

釧路湿原の北東部にある塘路湖は、昨年末から続く寒波の影響と降雪の少なさもあって例年にない美しい光景を見せてくれている。全面結氷した湖は、日に日に氷の厚さを増し、数カ所で「御神渡り」が現われている。御神渡りは、氷が昼夜の寒暖差による膨張と収縮を繰り返しながら盛り上がる現象で、いまも轟音とともに規模を増大させ続けている。氷上に雪が積もるまで、その表情を楽しませてくれるだろう。
謹賀新年

新春のお慶びを申し上げます。昨年は、当ウェブサイトを御高覧いただきありがとうございました。近年、日本をはじめ世界中で地震や気象の変化等による自然災害に見舞われることが多くなってきました。この10年余り、道内の自然や動物たちを見つめてきましたが、10年前と比べると動物たちの環境も大きく変化したことを感じます。今後もその状況は、大きく変化すると思います。人と自然、動物たちとの共生は困難な課題ではありますが、微力ながらその関係が良い方向へと進む架け橋となれるように撮影していきたいと思っています。
本年が穏やかな1年になりますように願っています。
「Frozen Hokkaido」フォトギャラリーを更新しました

いま北海道には越冬するためにハクチョウなどの渡り鳥が次々と訪れていますが、今季の冬の訪れはすこし遅くなりそうです。しかし、あと一月もすれば厳しい冬が必ずやって来ます。そんな季節にしか見られない光景とそこに健気に生きる動物たちの姿をまとめてみましたのでご覧ください。「Frozen Hokkaido」
秋風 礼文島・地蔵岩

海を伝ってくる北寄りの風が冷たくなり、季節は秋へと駆け足で移ろいでいる。この島で生まれたウミネコのヒナも、風を上手くつかみ自在に飛べるようになった。すっかり日没も早くなり、水平線に陽が沈むのと入れ替わるように漁り火が煌々と照らし始めた。
風と花 礼文島

海岸に沿って続く遊歩道脇に、ノコギリソウが強風に身をまかせながら咲いていた。この島の植物たちは、風とともに力強く生きている。
ガンゼ(バフンウニ)、ノナ(キタムラサキウニ)漁 利尻島

利尻島沿岸は良質な昆布が繁茂し、それを食べるウニの好漁場でもある。早朝から漁師たちは海に出ると箱眼鏡で覗きながらスラスターと足櫂を巧みに使い、タモ網で採取する。腕の良い漁師は、1~2時間で剥き身にして10kg以上のウニを採り出荷する。漁は、9月いっぱいまで凪の良い朝に1~2時間おこなわれる。
森の宝石 ブッポウソウ

夕暮れ時、利尻山の麓にある森で斜光に照らされ碧く輝く一羽の鳥が目の前を横切り、一本の立ち枯れた木の先端部に止まった。見慣れないその姿に一瞬にして全身に興奮を覚え、鬱蒼と茂る樹林のなかに飛び込んだ。望遠レンズにその姿を鮮明に捉えると、美しく輝く翡翠色の羽と真っ赤な嘴と足、紛れもなく「森の宝石」と呼ばれるブッポウソウだ。見晴らしのきく樹上で頭を上下左右に小刻みに動かし、勢い良く飛び立ちトンボなどを飛翔しながら捕まえ、また元の止まり木に戻ってくる。それを何度か繰返し、太陽が沈む頃には深い森へと消えていった。
姫沼の夜明け 利尻島

薄明のなか姫沼の水面に星々がひとつ、ひとつと消えていくと、
「風景写真」(9-10月号 8月20日発売)に大雪山の紅葉の写真が掲載されます

本日発売されます写真雑誌、「風景写真」(9月ー10月号)の表紙と巻頭ページに大雪山の紅葉の写真が掲載されています。是非、ご覧ください!
オタトマリ沼のウミネコ 利尻島

夕暮れ近くなると風が静まり、
利尻の養殖昆布 利尻島

擬態 オオコノハズク

夕暮れ前の森に同化したオオコノハズクが、エゾマツの樹上で微動だにせず鋭い眼光をこちらに向けてきた。大きな橙色の瞳が特徴的だ。その近くの低木でヒナ鳥がすやすやと眠っている。まだヒナ鳥は飛翔能力が低く、親鳥がハンティングした昆虫や小鳥などの給餌に頼る。
利尻山 利尻島

北海道北部に位置する稚内から約50km離れた日本海に浮かぶ利
静寂の夜に オオコノハズクのヒナ

一昼夜降り続いた雨が止むと、天上には星々が瞬きはじめた。
日本海の夕景を望む オジロワシ

10羽ほどのウトウの群れが日本海の波間を海面すれすれに飛翔し小魚の群れを追いかけている。この体長40cmほどの海鳥は、ペンギンのように両翼で羽ばたきながら潜水し、時には水深30mまで潜り採餌する。その様子を一羽のオジロワシが、黄金色の夕陽が照らす岩礁の上からじっと見つめていた。
雨上がりの朝 オオジュリン

雨上がりの朝、エゾカンゾウの咲く原生花園に向かった。低気圧の影響で青々した草木は波打ち、それに付着した滴がキラキラときらめいている。そんななか一羽のオオジュリンが振り子のように大きく揺れるエゾカンゾウの茎につかまり「チュッ、チイ、チイ、チュッ、チイ、チイ・・・」と優し声で囀っていた。
森の歌 コマドリ

「ヒンカラカラカラカラ・・・」山麓の森にコマドリの囀りが木霊している。木々が風に揺れてざわめくなかも、その力強く美しい囀りは、途切れることなく流れてくる。その美声に誘われ、鬱蒼とした森の中へと足を踏み入れると、まるで合唱をしているかのようにコマドリの美声が至る所から聞こえてくる。しかし間近で囀りを発するものの、生い茂る笹やぶに身を潜めて姿を見せない。しばらくトドマツの大木の陰で観察することにした。すると囀りの合間に笹やぶのなかを機敏に動き回り、昆虫を採餌しているのがわかる。すると突然、笹やぶから赤褐色の小鳥が飛び出しハンノキの横枝に止まると尾羽を上下に振り、小さな身体を目一杯震わせながら囀りはじめた。しばらく森は、コマドリの合唱で包まれていた。
初夏の恵み シマリス

あれだけ森を賑わせていたエゾハルゼミの鳴き声も日一日と弱まり、コマドリやウグイスの囀りが森の至る所から聞こえてくる。青々した樹冠からはアオバトやツツドリの鳴き声が聞こえ、その姿をひと目見ようと樹上を見上げ歩いていると、高さ15mほどのハルニレの樹上で2匹のシマリスを見つけた。太い幹から枝先まで手足を器用に使い速やかに渡ると、背伸びをしながら翼果を掴み、次々と頬袋に詰め込んでいく。時折強風で枝が上下に大きく揺れるものの、警戒することなく必死に採餌している。間もなくするとハシブトカラスが現われ、その気配を早々に察した2匹のシマリスは大急ぎで林床へと姿を消した。いまシマリスは地中の巣穴で子育て真っ最中だ。
穏やかな朝 カイツブリ

風のない穏やかな朝、原生林に囲まれた沼は水鏡となって深緑を映し出していた。周囲の森からはコマドリの美声が途切れることなく聞こえ、時折遠くの立ち枯れた松の大木をクマゲラが鳴きながら行き交い、ドラミングの音が木霊している。沼では体長25cmほどの小さな水鳥カイツブリが巧みに潜水しながら採餌し、「キューリリッー、キュリリッ・・・」と鋭い声で鳴きながら水面を滑るように移動していた。
森の小さな生命 クマゲラ

「キョーン・キョーン」とクマゲラの鳴き声とドラミングの音が交互に連続して山麓の原生林に蝉の鳴き声をかき消して木霊している。親鳥が営巣木やその周囲の樹上から雛に巣立ちをうながす行動だ。最盛期には日に10回前後の雛への給餌も巣立ちに向けて日に日に減少し、巣立ち間際には2~3回ほどになる。この頃になると雛は巣穴の縁に足爪をかけて体を乗り出し「キュンッー、キュンッー・・・」と親鳥を呼ぶ甲高い声が森中に響き渡る。あと2~3日すれば3羽の雛は巣立ちを終え、営巣木周囲の森はこれまで何もなかったかのようにエゾハルゼミの鳴き声に包まれるだろう。
森の小さな生命 ノスリ

いま森は新しい生命が次々と誕生し賑わっている。針葉樹林の樹上で営巣し孵化したノスリの3羽の雛が顔をだし、親鳥が持ち帰るネズミを今か今かと待ち続けている。上空を親鳥が「ピーヨー、ピィーエー」と鳴きながららせん状に旋回し見守っている。しばらく観察を続けようと思ったが親鳥の警戒心が強く早々に針葉樹の森をあとにした。
季節外れの寒さ ハシブトガラの子育て

北の森は、先日までの真夏日が嘘のように冷え込んでいる。寒気の到来で日中でも気温が10度に満たず、併せて強い北風がごぉーごぉーと樹木を揺らし身にしみる寒さが続いている。そんななかもハシブトガラの雌雄は雛へのエサ運びを途切れることなく続けていた。体長10cmほどの小さな体のどこにこれだけのエネルギーがあるのか不思議に思うと同時に感心する。営巣木に近づくと風の音にかき消されながらも雛の小さな鳴き声が聞こえてきた。もう間もなく巣立ちの時期がやってくる。
瑠璃色の鳥 コルリ

「チッチッチッ・・」「ピールリピールリピールリ」鬱蒼とした森の奥から美しい囀りが聞こえてくる。コルリの囀りだ。多くの森でその美声を聞くが、なかなかその姿を見せてはくれない。その理由は樹上で囀ることが少なく林床で行動することが多いからだ。早朝、森中に響きわたる美声の主を一目見たいと一本の沢筋にたどり着くが、なかなか姿を見せない。しばらく待つと笹藪から瑠璃色の鳥が飛び出し、ホオノキの枝に止まると小さな体を震わせ囀りはじめた。ひと鳴きし姿を消すと再び森の奥から美しい囀りが聞こえはじめた。
初夏の森 仔ギツネ

北の森は小鳥の囀りが少なくなり、代わりにエゾハルゼミが元気よく鳴きはじめている。あれだけにぎやかに囀っていたキビタキも巣作りを終え抱卵をはじめた。林床は見る見るうちに緑濃くなっていく。キタキツネの巣穴もオオイタドリやバイケイソウの茂みに隠れ、仔ギツネたちも安心して顔を出し遊んでいる。季節はあっという間に移ろいでいく。
真夏日 エゾリス

高気圧が張り出した道内は連日30度を超す暑さが続き、地平線に顔を出す山並みから夏雲が次々と湧いてくる。早朝から森の隅々までエゾハルゼミの声に支配され、時折カッコウやツツドリの鳴き声が樹上から聞こえてくる。今、森の動物や鳥たちは子育て中ではあるが、あまりの暑さに動きが鈍く朝晩の涼しい時間帯以外はじっと日陰で休んでいた。
森の音 キビタキ

日一日と緑濃くなる北の森は、恋の季節を迎えた鳥たちの多彩な囀りでにぎわっている。なかでもひときわ高音で美しく囀っているのはキビタキのオス。樹上で鮮やかな黄色の体から美しい囀りがはじまると森中に響き渡った。ペアになるまでもうしばらく森は多彩な音色で包まれるだろう。
新緑の森 センダイムシクイ

新緑が芽吹く森でセンダイムシクイが小さな体を震わせながら囀っている。樹上を忙しく移動するためにその姿を見ることは難しいが、甲高く美しい囀りは森中に木霊している。
「大雪山のナキウサギ」フォトギャラリーを更新しました

フォトギャラリー「大雪山のナキウサギ」をアップしましたのでご覧ください。
花薫る森 エゾリス

雨上がりの森は早朝から甘いエゾエンゴサクの薫りが漂い、
マガンのねぐら立ち 美唄市 宮島沼

マガンの国内最大の寄留地である宮島沼に今春も5万羽ほどが飛来し、周辺の田園地帯を行き来しながら羽を休めている。沼からは夜通しマガンの鳴き声が絶えず、薄明かるくなると更に強まっていく。やがて東の空が赤く染まりだすと水面を右往左往しながら移動を始め、鋭い羽音とともに一斉に飛び立った。あっという間に空一面を覆いつくすと、そのまま西の方角へと消えていった。もう間もなく繁殖のためにシベリアへと渡っていく。
オナガガモとオジロワシの攻防

無数のオナガガモの群れが河川を黒一色に埋め尽くし、
春の海 ラッコ 根室半島

春の陽射しがきらきらと輝く青海原に一頭のラッコが姿を見せた。
春の雪 タンチョウの抱卵 風蓮湖

淡雪が舞うなかタンチョウが抱
旅の支度 オオハクチョウ 風蓮湖

先日の淡雪が春の訪れを告げるように、風蓮湖周辺はすっかり春めいてきた。ヒバリが上空で騒がしく囀りまわり、ミヤコドリが干潟で紅い嘴を忙しく動かしアサリを啄んでいる。辺りの林床は雪どけのあとからフクジュソウやフキノトウが顔を出し日一日と緑濃くなっている。多くは北へと旅立ったオオハクチョウやヒシクイも、まだ少数の群れが湖の片隅で羽を休め旅支度をしている。薄明から30kmほど離れたデイトコ-ン畑へと少数の群れで飛び立ち、夕暮れまで昨年の収穫時に落ちたトウモロコシの実を採餌し風蓮湖に戻ってくる。長距離にも関わらず不思議と毎日同じ沢伝いの飛翔ルートを使い行き来している。その様子を観察しているとこのまま越夏するように思うが、もう間もなくこの湖から忽然と姿を消す。
クラカケアザラシの親子を探して 知床

昨日から強い南風が吹き続けている。大雪山などでのテント生活が長かったためか風には敏感に反応するようになり一種の職業病になりつつある。この十数年、気象情報を日に何度も確認するのが日課となり、それと併せてオホーツクの流氷が接岸する1月中旬頃から流氷終日まで毎日のように海氷図も確認している。今月の10日時点で海氷群は北緯45度の択捉島西側に位置しており、この風で更に北上したと思われる。春になりこの時期まで流氷の状態が気になるのは、3月下旬から4月中旬にかけて氷盤で出産するクラカケアザラシの親子に出合いたいという思いからだ。3月下旬、早朝から船で流氷群を縫いながら羅臼沖からウトロ沖まで約10時間探し回ったが出合えたのは成獣のクラカケアザラシのオスとゴマフアザラシの2頭だけだった。30年ほど前、羅臼沖でスケソウダラが豊漁だった頃、羅臼沖に浮かぶ大きな氷盤の上で数百のアザラシが休んでいたと漁師に聞いたことがある。当時はアザラシの親子も多く見られたようだが、近年では流氷群で成獣を確認することも難しくなってきている。
網走地方気象台の海明けの発表を終え、このまま流氷終日を迎えるだろう。来季のクラカケアザラシの親子との巡り合わせを願い、遙か彼方のオホーツク海の氷盤の上で真っ白い産毛を纏ったアザラシのつぶらな黒い瞳を思い描く。
※ 海明けは全氷量が50%以下となって沿岸水路ができ、船舶の航行が可能になった初日。
※ 流氷終日は視界内の海面で流氷が見られた最後の日。
春告魚・ニシンの大群 風蓮湖

風蓮湖の解氷に合わせるようにニシンとチカの大群が産卵のために回帰している。漁師は早朝から舟に溢れんばかりの魚を積んで漁場と浜を何度も往復し、船外機の爆音が湖上から絶え間なく響いてくる。多い日には3トンほどの漁獲があり、定置網に入った魚をタモ網ですくっていく。浜には年配の女性3人が腰を落として黙々と魚を選別している。3人の女性に漁師との関係を聞くと、家族でも親族でもないようだ。昔から同じ集落に住んでおり、多忙な時期には皆が一丸となって助け合い、少しの魚をもらえばそれで良いと言う。
厳冬からニシンの大群を待ち続けた漁師の良く焼けた顔には、この数日の漁労による疲労を醸し出しているが時折見せる笑顔に安堵感を垣間見せていた。
北帰行 オオハクチョウ 風蓮湖

春の風と日差しが風蓮湖の解氷を進め、南からオオハクチョウの群れが数千羽と集まっている。これからシベリアまで約3千kmの長旅を前にひと時の休息をとり体力を養う。このあと強い南風とともにこの土地を離れると昼夜問わず喉を鳴らしながら飛行しV字編隊の先頭を交代しながらチームワークで次の中継地を目指す。
幻氷 知床

根室海峡の流氷群の合間を縫うように船で北上し知床岬に近づいた頃、北の方角に巨大な氷山が青海原に浮いているように見えた。近づくにつれ、それが光の屈折で浮かび上がる蜃気楼によるものだとわかった。大気の温度差によって光が屈折し観測される四角い太陽なども同じ現象になる。岬を越えウトロ沖に入ると見渡す限りの水平線に幻氷が広がっていた。その先に陸があるかのように錯覚する。昔の船乗りたちは初めて見る幻氷にきっと惑わされたことだろう・・・。帰りの車内のラジオから斜里町の95年ぶりの3月の最高気温更新のニュースが流れてきた。
春の営み エゾモモンガ

オホーツク海に面した小さな森で真昼からエゾモモンガが慌ただしく活動していた。本来夜に活動するモモンガも繁殖期を迎える3月中旬から下旬にかけて日中にもメスを追いかけ森のなかを滑空することがある。この日は昼からメスが眠る樹洞に5頭ほどのオスが森のいたるところから木々を飛び交い交替でアプローチに現われた。オスのモモンガは鼻をヒクヒクさせフェロモンを嗅いでいる。メスが出洞すると間もなく樹上で尾を上げ、同じ樹洞に入っていたオスと交尾が始まった。すると、次々と周囲のオスがメスを求めて集まり、樹上を駆けて追い始め、オス同士が取っ組み合ったりとメスを巡る攻防が始まった。時折追い疲れたオスは肩で息をしながら樹上で休憩をしている。年に1度の恋の営みも夕暮れには終わり、森は静寂を取りもどした。翌日も森を訪れたが昨日の出来事が嘘のようにいつもの静かな森にもどっていた。
NHK WORLD TV「Journeys in Japan」で風蓮湖の氷下待ち網漁が紹介されます
NHK WORLDが海外向けに紹介する番組「Journeys in Japan /A Winter Wonderland of Ice /Eastern Hokkaido」が3月27日に放送されます。日本ではインターネットよりご覧いただけます。今年の2月に撮影が行われた知床の流氷や風蓮湖の氷下待ち網漁を行う漁師、オオワシやオジロワシなど北海道東部の冬の魅力をロシア人レポーターのロマン・マルコチェフ氏の目線から紹介されます。私の写真も番組内で紹介されますので是非ご覧ください。
春の陽だまり キタキツネ 知床ウトロ

早朝に知床の森のなかを新雪に残された動物たちの足跡を追って散策した。この森はミズナラやカツラ、エゾマツなどの大木が混交し多くの動物たちが生息している。森の広範囲にわたってエゾシカやキタキツネ、エゾクロテン、エゾリスの足跡が見られ、大木の根元や倒木の周囲にはイイズナとネズミ(ネズミには尾の跡が線上に残る)の二つそろった2cmに満たない小さな足跡が残されていた。足跡からイイズナがネズミを追いかけているものだと推測できるが、その姿を見ることは難しい。キタキツネの足跡を辿り鬱蒼とした松林に入ると、キタキツネの足跡と交差するようにヒグマの大きな足跡が山の中腹へと続いていた。キタキツネの足跡はエゾマツの根元から根元へと続き、丁寧に見て回っているのがわかる。一本の松の根元でネズミの足跡が途切れた雪上に少量の鮮血が残されていた。知床の森の豊かさと厳しさを同時に見せられた思いで帰路につくと、陽だまりのなかで一頭のキタキツネが幸せそうな顔で眠りについていた。
浜辺の足跡 キタキツネ 知床 ウトロ

流氷漂うオホーツク海に夕陽が差しはじめると浜辺に一頭のキタキツネが姿を見せた。ふわふわとした黄金色の冬毛をまとった美しいキツネだ。その姿を追い浜辺に向かうが、私に興味を示さず遙か遠くへとすたすたと駆けて行ってしまった。浜辺や流氷上には古いものから新しいものまで無数のキタキツネの足跡が残っている。海鷲の食べ残しを探し歩いているのか、それとも流氷の接岸に喜びあふれて歩いているのか定かではないが、その姿を見ていると流氷の訪れを歓迎しているように感じる。
氷丘とオオワシ ウトロ

強い北風によって海岸に押し寄せ積み重なった流氷は多様な姿を見せる。時には高さ5m、長さ数10mにも及ぶ流氷山脈を見ることも。オオワシやオジロワシは遙か彼方まで見渡せる氷丘で羽を休めじっと水鳥を見つめている。そんな姿を見られるのもあと少し・・・オホーツク海から流氷が消える頃にはオオワシも北へと旅立っていく。
海明け間近 ウトロ

日一日と春の気配が増すなか、今もオホーツク海の流氷は風と海流に乗って漂っている。ホオジロガモなどの水鳥は恋の季節を迎え、流氷の合間を縫いながら首を大きく反らし盛んに求愛のダンス(ディスプレイ)を行っている。これからしばらく北寄りの風が吹く予報だが、オホーツクの海明けは近い。
子別れ タンチョウ 鶴居村

タンチョウの恋の季節は同時に昨春に産まれた子供たちとの別れの季節。親鳥は越冬地で子供たちを執拗に追い払い、繁殖地へと旅立ちます。幼鳥は戸惑いながらもこれから独りで強く生きていかなければなりません。3月は幼鳥にとって大人へと成長する新たな一歩を踏み出す季節なのです。
春の訪れ 風蓮湖

北海道は季節外れの雨が降っている。この数日、風蓮湖の解氷が進み、早くも北帰行する水鳥たちが集まり始めている。遙か彼方からオオハクチョウの鳴き声が聞こえ、双眼鏡で覗くと無数のハクチョウが蜃気楼に包まれ屈折して見える。その先をホオジロガモが群れとなって一方向に進み、時折潜水し甲殻類や小魚を採食している。その様子をオジロワシが樹上からじっと見つめている。もう春はそこまでやってきている。
雪原の舞 タンチョウ 鶴居村

雪原のタンチョウが天上に嘴を突き上げ鳴き交わすと、間もなく美しい求愛のダンス(ディスプレイ)が始まった。つがいで両翼を広げ向かい合いポーズをとったり、宙に舞ったりと優雅な姿に見惚れてしまう。繁殖地に戻る今月下旬頃まで恋の舞踏会は雪原で繰り広げられる。
吹雪のあとの銀世界 タンチョウ 鶴居村

大型の低気圧が南から暖気を運び、鶴居村は気温0度と暖かい朝を迎えた。昨日から降り続いた湿った雪が樹木を覆い、見渡す限り白一色の世界が広がっている。そんななか車をタンチョウの眠る川へと走らせた。昨日は200羽ほどのタンチョウが休んでいたが今朝は20羽ほど、暴風雪を避け他の塒で休んでいるようだ。今朝の光景にタンチョウが少数だったのは残念ではあるが、いつまでも残して欲しい北海道を代表する景色のひとつだと思う。
霧氷の森 キタキツネ

風蓮湖氷上は氷点下20度の冷え込んだ朝が続いている。樹木には霧氷がまとい、氷上へと海鷲が飛び立つ度に雪のようにきらきらと舞っている。林床のヨシ原のなかで2頭のキタキツネが寄り添い眠っていた。ふかふかの黄金色の毛は白く凍りつき、ここで長く眠っていたのがわかる。陽光を浴びしばらくすると大きく背伸びをして、すたすたと林のなかへと消えていった。今はキタキツネの恋の季節。仲睦まじい姿をよく見かける。
新月の夜 風蓮湖

新月の夜、夕食を終えテントから出ると気温計は氷点下13度を指していた。風のない穏やかな夜だ。気温ほど寒さは感じられず、天上には手が届きそうなほどの満天の星が輝いていた。厳冬期の風蓮湖氷上で見上げる夜空は、寒空の下端に煌々と灯る漁家が温もりを伝える。ひとつひとつの灯りに物語があり、それもまた冬の風蓮湖の情景となる。先日ひとりの漁師が仕事の合間に話してくれた。「札幌の学校に通う娘がこの春に看護師になるんだ・・・」と、目尻にしわを寄せて幸せそうな顔だった。
遠くの湖畔林から恋の季節をむかえたキタキツネの鳴き声が冷気を伝って微かに流れてきた。きっと明日も凍てつく朝を迎えるだろう。
氷点下18℃の朝 変形太陽と氷下待ち網漁の漁師 風蓮湖

今朝の風蓮湖は氷点下18℃まで下がり、今季一番の冷え込みとなった。氷上では薄明から漁師たちが氷下待ち網漁の網起こしを行っている。この数日、2月にしては珍しく大量のニシンが獲れ、氷上は活気を取り戻しつつある。漁師たちは1月下旬から3月下旬まで、くる日もくる日も網を起こし続ける。これからやってくるニシン群来を待ち望んで・・・。
防風林に生きるエゾフクロウ

朝からフクロウを探して歩いていた。カラマツが多く植林されている防風林にミズナラの原始林が残されている。真っ直ぐ天に伸びる太い幹の小さな洞からエゾフクロウが顔を出し居眠りしていた。夕暮れ近くなると深々と雪が降り始め、少しずつ大きな瞳が開き輝きはじめた。
防風林は春には作物を強い南東の風から守り、冬には私たちを地吹雪から守ってくれます。同時に多くの生物の生活の場として生命を育んでいます。近年エゾフクロウの姿を見ることが少なくなってきました。彼らにとっても防風林は大切な緑の回廊です。
エゾシカの大移動 風蓮湖

厳冬期、エゾシカは山麓の積雪量が多くなると沢沿いの林を抜け、海岸の風衝地へと続々と集まってくる。風衝地は積雪量が少なく植物の採餌が行いやすい。それでもこの季節は植物が少なくエゾシカにとっては過酷な季節。力尽きるエゾシカも多く見る。夕暮れ時になると林から林へと植物を求めて風蓮湖の氷上を群れとなって移動する。
夜明け 一本松とオジロワシ

氷点下14℃、日の出とともに一羽のオジロワシが古い松の樹上に止まった。毎年この地域で繁殖をする留鳥だ。一日に何度も樹上からカワアイサなどの水鳥をじっと見つめハンティングを行う。今は栄養を多く蓄えなければならない大切な季節で、これから厳寒のなか繁殖行動が始まる。3月には産卵を終え、春になるまで吹雪のなかもじっと卵を温め続ける。
野付半島のオオワシ

北東の強い風がうねりを呼び野付半島の海岸にアザラシが打ち上がった。澄みわたる青空を海鷲やカラスが行き交い浜はにぎわっている。私は雪原をアザラシの方へと少しずつ歩み寄ることにした。本来警戒心の強いオオワシだが、その距離を縮めても私の存在を気にせず夢中になって食べている。彼らにとって貴重な海からの贈り物になったようだ。
以前、野付半島には多くのオオワシがオオマイ漁で捕獲されるカジカなどの雑魚を目当てに集まってきていた。しかし近年では、環境の変化が要因なのか不漁のため2年間休業している。そのためオオワシの姿を見ることも少なくなった。
「ウォーカープラス」に写真が紹介されています

北海道ウォーカー(KADOKAWA)WEB版「ウォーカープラス」に写真と記事が紹介されています。どうぞご覧ください。
吹雪のなか オオワシとオジロワシ(風蓮湖)

1月下旬に始まった風蓮湖の氷下待ち網漁の雑魚を目当てにオオワシやオジロワシが続々と集まってきている。彼らに吹雪は関係ないようだ。厳寒の氷上で魚をめぐる争奪は繰り広げられていく。
謹賀新年

新春のお慶びを申し上げます。昨年は仙台、名古屋での写真展、当ホームページをご高覧いただき、ありがとうございました。今年は2010年にも訪れたロシアをはじめ海外取材も視野に入れ写真及び4k動画の撮影に尽力したいと思います。
本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
フォトギャラリー更新のお知らせ

フォトギャラリー「White Nature」をアップしましたのでご覧ください。
HPトップ画面の写真をリニューアルしました
連日、氷点下10度の朝を迎えています。今季も厳しい冬になりそうです。HPのトップ画面を冬の写真にリニューアルしましたので是非ご覧ください。寒暖差が激しい季節、皆様どうぞご自愛ください。
母なる川・シロザケの遡上

シロザケが約4年間の北洋での回遊を終え、産卵のために生まれた知床の川へと続々と集まっている。遡上するシロザケは、これから厳しい冬を迎える動物たちにとって待ちこがれた秋の恵み。流域にはヒグマやオジロワシたちが姿を見せ待ちかまえている。今まで多くのヒグマを観察してきたが、ヒグマがサケを捕る成功率は個体によって違う。次々と職人芸のように速やかに捕る個体、追い続け水飛沫ばかりをあげて何時まで経っても捕まえられない個体と様々だ。観察していて面白いのは後者で、現在観察している個体も失敗ばかりで苦労しているようだ。時折上手く捕まえると、すぐにカラスが群がり、それを引き連れて河畔森へとサケを運び、騒々しい周囲を気にしながらも夢中になって食べている。この時期、多くのヒグマは栄養素の高いイクラだけを好んで食べ、多くの死がいを残す。それをオジロワシやキタキツネ、カラスたちがさらに森の奥へと運び、その残骸が土へと返り栄養素となって森を育んでいる。すべての生命は循環し、繋がりをもっている。
冬のはじまり・ナキウサギ

一月ぶりの大雪山の山麓は、真っ白な世界へと変わっていた。もうシマリスの気配はない。雪面にキタキツネの足跡が稜線へと真っ直ぐに続いている。ナキウサギの生息する谷から時折甲高い鳴き声が聞こえてくる。その谷でナキウサギを待ち続けることにした。1時間、2時間、3時間・・・やっとその姿を見せてくれた。綺麗な冬毛を纏ったナキウサギだった。しばらくの間、こちらを不思議そうな顔でじっと見つめ、「ピチィ」と一声鳴いてガレ場の穴へと消えていった。あと一月もしないうちにこの谷も雪に埋まり、春まで雪解けることはないだろう。
知床峠の夜明け・ダケカンバ

連日、知床は北西の強い風が吹き続けている。知床峠に群生するダケカンバは落葉が進み、長い年月を強風に耐え変形した白い幹が目立ちはじめてきた。知床の峰々は雪化粧し、紅葉は駆け足で山麓へと下っている。知床にも冬の足音が近づいている。
不作の秋

ほぼ毎日のように知床の上空を白鳥が喉を鳴らしながら南の空に消えていく。山麓の木々も落葉が進み、林床は明るくなったが森はひっそりと静まりかえっている。ドングリやヤマブドウなど秋の実りが不作なのも一因だろう。これから厳しい冬を迎える動物たちは大丈夫だろうか・・・少し心配になる。季節は着実に冬へと進んでいる。
稜線に生きるエゾナキウサギ

シベリアに張り出す氷点下30℃の寒気が大雪山の峰々を雪で包みこんだ。山麓から望む約3ヵ月ぶりの白い山容は美しく、思わず見とれて足を止めてしまうが、いざ稜線に立つと暴力的な風と窪地に吹きだまった新雪やハイマツが行く手を阻み、背負った荷物との格闘で景色を楽しむ余裕などなくなる。
かつて根雪になる頃まで、大雪山の稜線に生息するナキウサギを観察したことがある。ナキウサギは、冬眠せずに夏から秋にかけて植物の葉などを岩の間に貯食して越冬する。個体にもよるが、山麓に生息する個体は頻繁に貯食行動を見せるが、稜線に生息する個体はその行動を観察することが少ない。特に風衝地に生息する個体の貯食行動は見たことがない。その行動が見られないのは、植生や積雪量、雪解け時期との関係性があるのではないかと推測しているが、本当のところはナキウサギに聞いてみなければ分からないだろう。
目の前のガレ場に現れたナキウサギやシマリスを見つめながらいつも思うことがある。この小さな体のどこに、これから始まる長い冬を越すだけのエネルギーが秘められているのか不思議に思うのと同時に、生命のもつ強さを感じる。彼らにとってはあたりまえのことかもしれないが、きっと今まで神秘的な事が重なり合って命をつなげているのだと思う。そんなことを思いながら、また来年、再会できることを願ってガレ場をあとに下山の途についた。
支笏湖 40㎞の舟旅

昨晩まで吹き続けていた強風と雨は止み、深い霧が支笏湖を囲む原生林にからまりながら生き物のように漂っている。テントや食料等を2艇のカヤックに積み終えると、鮮やかな錦絵のように美しい紅葉が映る水面のなかを出艇させ、西の方角へと走らせた。湖面を滑るように進む感覚と、どこまでも流れるようにゆっくりと続く景色。自然と一体となった感覚が心地よくなっていき、徐々にそれが体を満たしていく。いつのまにか時間の感覚を失い、パドルを漕ぐ疲労も薄れていった。代わり映えしない景色が続くなかで、時折小群の水鳥が水飛沫をあげて力強い羽音とともに飛び立つ姿に魅せられる。湖畔ではカワセミが水面ぎりぎりを飛翔し、黄色に紅葉したイタヤカエデの横枝に止まると、じっと小魚を見つめている。間もなく越冬のために南へと渡るだろう。
カヤックは順調に進み、予定より早く湖畔にテントを張ることができた。周囲の森からはカラ類やアカゲラ、アオバトの鳴き声が聞こえてくる。鳥たちの囀り以外は何も聞こえてこない。包み込まれるような静けさだ。やがて日は稜線に沈み、あたりが薄暗くなると天上に星が顔を出し始めた。しばらくすると樹冠のすき間から月が上がり、星々の輝きを少しずつ弱め、湖面を黄金色に照らし始めると、まわりを取りまく山々の輪郭がぼんやりと浮き出てきた。時折、夜の静寂に繁殖期を迎えた雄ジカの寂しげな鳴き声が森に響き渡り、身近に野生を感じる。この深い森のどこかで苔むした倒木を越えて移動するヒグマを想像しながら寝袋にもぐりこんだ。
雪の気配

冬の星座が夜空を瞬き始めている。夜明け前、東の稜線からオリオン座が顔を出すと、間もなく星々は薄明に包まれていった。やがて太陽が昇り、冷え込んだ大気を少しずつ温め始めるとどこからともなくシマリスがガレ場に姿を現せた。もうすぐ大雪山に雪が降るのを予感しているかのように、もうこれ以上頬袋に入らないほどの種子や巣材となる枯れ草を頬張り、巣穴へと忙しく運んでいる。この短い秋に、これから始まる長い冬の備えをしているのです。あと一週間もしないうちに稜線は白で覆われ、10月中に長い眠りにつくだろう。
嵐の前の静けさ(大雪山・高根ヶ原)

17日の早朝、緑岳のピークに立った。風のない静かな朝だ。ラジオから九州での台風18号の大雨による被害が流れてくる。零度近い気温のせいか、いつもは忙しく動いているシマリスの姿は見かけない。ここから望む高根ヶ原、忠別岳、トムラウシ山、そしてその先の十勝岳連峰と大雪山の雄大な広がりと深さを感じる山容が続く。2009年からの5シーズン、この景色のなかで雪が山肌を纏うまで無我夢中にヒグマを追いかけた。2頭の仔熊を連れた母グマが、何度も目の前で授乳シーンを見せてくれたこと・・・。好奇心旺盛なナキウサギの幼獣が、私の手に噛みついたこと・・・。目の前に広がる景色を眺めながら、そんな多くの出合いをふと回想した。
石狩川の源流部になるヤンベタップの沢沿いに広がる紅葉は、ウラジロナナカマドの紅はピークを終え、ダケカンバやイタヤカエデの黄色はこれから見頃を迎えるだろう。紅葉は山麓へと駆け足で下っている。
今季の大雪山山行は、ドローンを使用して4K動画と写真での空撮が第一の目的だ。強風や乱気流が吹く山岳地域での空撮は、飛行させるタイミングを見定めることが重要になってくる。光線やアングル、飛行ルート等の地形を把握し、目まぐるしく変わる天候のなかでその機会を待つ。
*大雪山国立公園内でのドローンの飛行は上川中部森林管理署に入林承認書を申請し、上川自然保護官事務所へ連絡をした上で飛行している。
草紅葉(大雪山・白雲岳)

大雪山の山肌を、今一際鮮やかに彩っているのがウラシマツツジの紅色。早くも稜線では草紅葉のピークを越え、植物たちは、これから冬の装いへと変わっていく。
10日の昼時、赤岳から白雲小屋に向かう稜線で10mほどの強風と霰混じりの初雪に合った。霰を避けるように自然と俯き、足早になる。足下には、ハイマツの種子の食痕が無数に転がり、その上空をホシガラスが風にあおられながら青々としたハイマツの種子を忙しく運び貯食している。今季はハイマツから、コケモモやガンコウラン、クロマメノキの果実が鈴なりに実っている。道中、クロマメノキの黒紫色の果実を一粒だけ頂き、口いっぱいに広がる甘酸っぱい秋の香りを満喫しながら足を進めた。今年の大雪山は、冬の訪れが早くなりそうだ。
初霜

真夜中過ぎ、シェラフに流れ込む冷気と地面から突き上げるような寒さで目を覚ました。結露したテントはパリパリに凍りついている。白雲岳南東面のガレ場から、ナキウサギの鳴き声が聞こえてくる。風の無い穏やかな夜だ。天上には、無数の星が瞬き、東の空に顔を出した三日月が緑岳の稜線を薄っすらと照らし出している。あの稜線を越えると、きっと雲海が湧いているだろう・・・。フランスパン2切れと温かいコーヒーを飲み終えると急いでザックに機材と冬用のダウンの上下を詰め込み、まだ雪渓の残る板垣新道をヘッドライトを灯けて稜線を目指した。霜が降りたチングルマやウラシマツツジ等の植物にライトが照らされ、足下がキラキラと輝いている。稜線に登り着く頃には辺りの景色が見え始め、雲海が湧いているのがわかる。東の空は刻一刻と赤く染まり、遠方に阿寒の山々や斜里岳が浮き出てきた。
太陽が昇り、その4時間後には稜線は霧に包まれた。台風18号による天候悪化を警戒し、午後にテントを片付け、徐々に強まる風のなか下山の途についた。道中、昨日まで鮮やかな色彩を楽しませてくれた稜線の植物たちは黒褐色となり、早い冬の訪れを知らせてくれているようだ。
秋色(十勝岳西面のスゲの群落)

大雪山系の紅葉が、ここ数日の寒暖差で一気に色付き始めている。
グンと冷え込んだ日の朝、稜線で目を覚ますと周辺の景色が色濃くなったことに気づく。ウラシマツツジやチングルマ、ウラジロナナカマドなどの紅、イタヤカエデやダケカンバ、スゲ類などの黄色。秋色は日一日と増し、駆け足で山麓へと下っていく。本当に美しいと感じるのは1日か2日。今月は紅葉を追いかけて大雪山を駆け巡ることになるだろう。
十勝岳から富良野岳に続く荒々しい稜線をアマツバメがかすめて飛び交い、ナキウサギの鳴き声が山麓から聴こえてくる。動物たちもこれから冬に向けて、短い秋を慌ただしく生きるだろう。
夏の終わり

薄明からハクセキレイの小群がピチッ、ピチッと鳴きながら赤岩の浜を飛び交っている。
知床赤岩 昆布漁師、最後の夏

知床半島突端部の羅臼側に赤岩と呼ばれる地域があり、昆布の好漁場として知られている。大正の時代から夏になれば漁師が家族と共に海路で訪れ、昆布やウニ漁等を生業とし秋まで過ごした。最盛期で50軒ほどの番屋が立ち並び、多くの子供たちも「青空教室」で学びながらが手伝っていたというが、1960年代をピークに減少し、現在では2軒となった。活気のあった当時の名残は薄れ、この2軒の漁師もこの夏で赤岩を離れることを決断した。
羅臼昆布が製品化されるまでには、約20工程を経て手間暇かけて丁寧に作り上げられていく。それは自然(太陽光や風、夜露等)の恩恵と共に作り上げていくといってもいいだろう。また「昆布は山が育てる」と言われるが、知床半島の豊かな生態系も良質な昆布を育む要因のひとつだ。漁師たちはライフラインの無いこの場所で、刻一刻と変化する空模様や風を読みながら約2ヶ月の間、無休で薄明から薄暮まで黙々と作業を進めていく。
私は昨年から赤岩の昆布漁を手伝いながら撮影を続けている。スガモや昆布等が密生する赤岩の生態系豊かな遠浅の海の美しさと、連日のように現われるヒグマ。約2ヶ月間、密やかにここで昆布漁を生業とする家族の生活。そして、この土地から離れることを決断したが、今も去就に悩みながら生きる漁師の憂いと諦め、儚さ・・・心境をも記録として写真と4K動画に閉じ込めることが出来たらと思っている。
サクラマスの遡上

北海道東部にある知床も連日30度ほどの夏日が続き、夏本番を迎えている。今、河川では1年のオホーツク海の回遊を終えたサクラマスが回帰している。斜里川や忠類川等の上流域を水飛沫を上げて遡上し、その光景は幾分か涼を感じることができる。高い弧を描いた太陽が深緑の樹木に遮られていた水面を燦々と照らし始めると、落差3mほどの滝を次々と遡り始めた。しかしこの滝を越えていく個体は少なく、その多くは激流に飲み込まれたり、弾き飛ばされていく。そしてその先の上流域では、エゾマツの樹上から数羽のオジロワシがその様子をじっと見つめている。
ヒグマの親子

エゾハルゼミの鳴く知床の森で、ヒグマの親子に出合った。この季節はヒグマの繁殖期で雄グマを避け、親子グマは採食地を転々としている。雄グマが仔グマを襲うことがあるからだ。母グマは採食中にも神経を尖らせ、時折立ち上がり鼻を突き立てている。その隣で仔グマは不安そうな表情を浮かべ、じっとしている。母グマの表情や行動を観察していれば、鬱蒼とした草地や森の中でも近くに他のクマが居るかどうか察することが出来る。この日も雄グマを察した親子グマは、寄り添うように足早に深い森の中へと静かに消えていった。その後間もなく、オオイタドリの茂みから大きな雄グマが肩を揺らしながら現れた。
オジロワシの巣立ち

4月下旬に孵化したオジロワシの巣立ちを、カモフラージュテントの中でその瞬間を待ち続けた。真っ白で柔らかい羽毛は硬く黒褐色の幼羽へと変わり、時折羽ばたく羽音と両翼が枝にぶつかる鈍い音は力強く、体と爪も親鳥と見劣りしない大きさに成長している。ふ化後2週間もすれば猛禽類特有の精悍な表情を見せ、早くも大空の王者の風格を醸し出していた。雛に運ぶ餌はカモ類などの水鳥が多く、時折魚を運び嘴で丁寧に細かく千切り与えていた。繁殖地によって食性は変わるが、主に水鳥と魚類。以前に大きく成長したアオサギの雛を巣に持ち帰ることも目にしたことがある。
猛禽類の巣立ちの定義は曖昧で、キツツキ類や地上で営巣する鳥類は巣立ち後に巣に戻ることは無いが、猛禽類は巣立ち後も親鳥が運んできた食物を採餌しに、また夜には休みに帰巣することがある。今回は巣から離れ、営巣木上の横枝に止まった瞬間を巣立ちとした。
緑の回廊 (オジロワシ)

北海道東部にある根釧原野は広大な酪農地帯が開拓され、その多くが牧草地となっている。原生林の多くは消失し、残されているのは河川沿いの林と牧草地を囲むように防風林が東西南北に格子状に造成されている。この樹林帯はヒグマやエゾシカなどが山岳地帯から海岸地帯までを結ぶ移動路となり、またシマフクロウやオジロワシなど多様な動物たちの繁殖地としても貴重な生活圏となっている。それは生命をつなぐ緑の回廊。
4月下旬に孵化したオジロワシのヒナも防風林ですくすく育ち、真っ白な産毛から黒々とした羽を纏い、猛禽類特有の精悍な表情が見られるようになった。来月には巣立ちし、大空を舞い始めるだろう
深緑の森に舞う雪

深緑の森に深々と雪が降るように綿毛が舞い下りてくる。ここ数日、ヤマナラシ(ハコヤナギ)やドロノキが綿毛を纏った種子を一斉に飛散させ林床や湖沼を覆い隠す。光に透過された綿毛を目の当たりすると雪のように美しく、季節が冬に戻ったかのように錯覚する。そんな森から、ひと際高い声で囀るキビタキに誘われるように知床の深い森に入った。
ミソサザイの唄

新緑に包まれた北の森は、多彩な鳥の囀りでにぎわっている。その中でも一際澄んだ高音で囀っているのが、日本で最も小さな鳥のひとつミソサザイ。低地の沢沿いなどの湿った林から大雪山の尾根伝いにある湖沼まで、その美しい囀りを聴くことができる。
ミソサザイは、その美しい囀りが影響してか日本や西洋においても数多くの民話や伝説に登場し「鳥の王」と呼ばれている話が多い。アイヌの伝承では、人喰いクマの耳に飛び込んで鼓膜を破ってクマを退治した勇猛な鳥だと神様に褒められている。西洋では森の王であるイノシシと戦い、鼻の穴に飛び込んで勝利する話しなど小さな鳥が大きな動物に勝利する話は他にも多くある。体調10cmほどの小さな鳥が全身を震わせ囀る姿に古代の人も私たちも変わらずみんな感動したのだと思います。
写真展開催のお知らせ

写真展「NATURE CRAZYS」ーライフスケープ編集長が推す”常識やぶり”な若き写真家たちーが富士フィルムフォトサロン名古屋会場で5月5日(金)から5月11日(木)まで開催されます。会場内でフォトブックとオリジナルプリント(サイン入り)、写真集も販売されておりますので、ぜひお立ち寄りください。
鎮守の森

北海道の大地は明治以降の大規模な開拓によりエゾマツやトドマツを主とする黒々とした針葉樹に、新緑から紅葉まで美しい色彩を見せてくれるミズナラやシラカンバ、イタヤカエデなどの広葉樹が混生する森を多く失った。今それらの原始的な森を見ることが出来るのは大雪山や日高山脈の山麓、阿寒や知床などと極限られたエリアだけとなった。しかしながら都市部にも開拓以降も大切に守られてきた森が残っている。それが鎮守の森。道北にある忠別川沿いにあるこの鎮守の森には、ミズナラやヤチダモ、カシワなどの大木が林冠を形成している。今、森は新緑に溢れ、エゾ山桜の花びらがひと風ごとに舞っている。ニリンソウやエンゴサクの花が咲く林床をエゾリスが駆け回り、オオルリやキビタキがこの季節を待ち望んでいたかのように賑やかに囀っている。子育て真っ最中キタキツネも出産した巣から人気の無い別の巣へと仔ギツネの引っ越しで忙しそうだ。これから北の森は多彩な生命の音色で賑わい始めるだろう。
誕生

新緑が芽吹き始めた北海道東部の丘陵地に囲まれた小さな湿原で、
一番子の誕生から2日目に残るひとつの卵が孵化した。
春麗ら (エゾタヌキ・知床)

早朝から生暖かい南の風が吹いている。雪解けが一気に進んでいる知床の山麓へと流量が増した沢伝いに入った。まだ林床に残雪はあるが、陽当たりの良い所から福寿草の黄色い花が咲き始めている。沢沿いにはフキノトウが顔を出し、その脇をカワガラスが忙しく上流から下流へと行き来している。冬のピーンと張りつめていた緊張感は緩み、穏やかでやわらかい空気が森を包み込んでいるように感じられる。今この森でそう感じているのは私だけではないようだ。一頭のエゾタヌキが陽当たりの良いミズナラの大木の下ですやすやと眠っている。本来暗い森の中を好み、ひっそりと暮らすエゾタヌキだが、とてもこの場所が気にいったのだろう。10mまで近づいても起きる気配はなく腹部を膨らませ呼吸し熟睡している。四肢を伸ばしたその無防備な寝姿に思わず笑みを浮かべる。しばらくすると右目を開けゆっくりと立ち上がり、のたのたとよろめきながら深い森の中へと消えていった。「タヌキの寝入り」と云う言葉があるが天敵から身を守るために擬死(死んだふり)をする事で捕食者を油断させ逃避する為にとる行動で、今回の出合いはそれとは違うが貴重な時間を共有できた。
仔沢山で知られるエゾタヌキは、あと一月ほどでこの深い森のどこかで新しい生命を迎え、育んでいくだろう。
豊穣の海

肌を刺すような風はゆるみ、きらきらとした陽光が日一日と雪解けを進めていく。青々としたフキノトウが顔を出し、オオワシやオオハクチョウは北帰行を始め、代わりにアオサギやタンチョウが繁殖のために越冬地から戻ってきた。季節は春へと移ろいでいるが、4月に入っても流氷群は根室海峡や道東太平洋海域を風まかせに漂っている。そんな氷海の海でラッコがホタテやつぶ貝などを採餌しながら優雅に泳いでいた。美食家で大食漢として知られるラッコは、1日に約10kgの食料が必要だと言われている。皮下脂肪が少ないため大量のエネルギーと上質な体毛で寒冷な海で生命を維持している。採食したり眠ったりと愛嬌のある表情を見せるラッコも、時折2頭が牙をむき出して激しくじゃれ合ったりとイタチ科の気性の荒い性質も見せる。
毛皮を目的とした乱獲により減少したラッコが再び北海道の近海で見られるようになったことが、生態系の回復と豊かさを物語っている。いつまでもラッコの泳ぐ姿が見られる海であり続けて欲しいと願っている。
写真展のお知らせ
写真展「NATURE CRAZYS」 ネイチャー・クレイジーズ ライフスケープ編集長が推す"常識やぶり"な若き写真家たち
上田大作 ・ 佐藤岳彦 ・ 高久至 ・ 増田弓弦
2017年5月5日(金)~5月11日(木) 富士フィルムフォトサロン名古屋で写真展を開催します。
風連湖ー氷上に生きる生命
北海道東部にある風蓮湖では毎年1月になると湖が結氷し、伝統漁の「氷下待ち網」が行われます。漁が始まると氷上では漁師と動物(オオワシやオジロワシ、キタキツネなど)たちの多様な物語が繰り広げられます。多彩な表情を見せる美しい氷上の景色と併せて展示していますので、良かったら会場までお越しください。
同時に「本屋ライフスケープ」も開催されます。4人による限定版フォトブック、雑誌「ライフスケープ」のバックナンバーやネイチャー系写真集などを集めたミニ本屋が期間中会場の一角に登場します。是非お立ち寄りください。
会場:富士フィルムフォトサロン 名古屋 入場料:無料 企画 (株)風景写真出版 協力 富士フィルム株式会社
耳を澄ませば

数日間吹き続いた北風が止んだ。知床連山の上空に赤く染まった雲が闇に包まれ始め、星が瞬き始めた。闇夜に慣れ始めた視覚には、真っ白な流氷が国後島や、標津、羅臼の町の灯りに照らされ、遥か彼方まで見える。そんな野付半島の夜空にレンズを向けた。これまで多くの場所で夜空にレンズを向けてきたが、撮影の時間、闇夜では視覚からの情報が途絶えるため、聴覚が過敏になる。この夜も耳を澄ますと、多彩な音が聴こえてきた。流氷の彼方からはコオリガモなどのカモ類の鳴き声が、氷塊の軋む鈍い音との合間に微かに流れてくる。海岸線からはキタキツネの甲高く寂しげな声。雪原には一歩、一歩雪に埋まりながら歩くエゾシカの足音が聴こえてくる。多彩な音を頼りに動物たちの息づかいが想像できる星の撮影は、私にとって至福の時間。
春の気配

北東の風が吹き、国後島に接岸していた流氷群の一部が2年ぶりに野付半島に接岸した。流氷群が根室海峡を漂い南下し始めると、もう春は近い。3月1日、タンチョウの雌雄が繁殖地である風蓮湖に戻り、求愛のダンスを見せてくれた。日一日と解氷する湖に数百のオオハクチョウの群れが続々と集まり、北帰行に備えて羽を休めている。
厳冬を越えた野付半島のエゾ鹿たちは、一回り体が小さくなり、どことなく力ないように感じる。海岸沿いをよたよた歩き、打ち上がった海草などを食べている。その様子からエゾ鹿にとって厳冬を越すことの厳しさが、ひしひしと伝わってくる。植物が顔を出す雪解けまでは、あともう少し。春はもうそこまでやってきている。
風の連なる湖

深夜から明け方にかけて20センチほど降り積もった雪が湖岸の景色を白一色へと変え、樹木に付着した雪がひと風ごとに舞い落ちていく。日一日と春へと向かっていた景色がまた冬景色へと戻った。風蓮湖の氷上に出ると、絶え間なく烈風が吹き、徐々に強さを増していく。氷下待ち網漁を生業とする漁師たちは、地吹雪が吹き抜けるなか漁場に吹きだまった雪をスコップで除雪する作業に追われている。オオセグロカモメが地吹雪で体に積もった雪を時折振るい落とし、その様子をじっと見つめている。
流氷山脈

根室海峡に強い北風が吹き続けている。知床半島と国後島に挟まれた流氷群は風によって押し寄せられ、海岸沿いの浅瀬に氷塊が積み重なり氷丘が連なっている。近年見られない光景が一夜にして形成され、計り知れない自然のエネルギーを目の当たりにすると、ただただ圧倒されるばかりである。
早朝、氷原をキタキツネが食物を探しているのか、それとも山のように積み重なった流氷を歓迎し喜んでいるのか分からないが早足で歩いている。そんななか、轟音と共に遠方の氷丘が崩れ落ちた。キタキツネは轟音と振動に驚き、慌てて陸地へと戻ると、またすぐに何もなかったかのように氷原を歩き始めた。流氷明けまでは、もうしばらく先だろう。小さな冬の物語は続いていく。
老鷲(おいわし)

風蓮湖の湖岸にある一本の立ち枯れした老木に、日の出とともに頭部が真っ白なオジロワシが大爪で魚をつかみ舞いおりた。つかんでいる魚は、薄明から漁師たちが氷下待ち網漁の水揚げ後に選別され氷上に放置された雑魚だ。器用に大きな嘴で喰いちぎると、嘴を天高く向けて丸呑みにし、あっという間に食べ終えた。毎年、風蓮湖には多くの海鷲が越冬のためにオホーツク海北西部沿岸やサハリンから渡ってくるが、その渡りの群れから距離をおいて、樹上や氷上で寄り添うオジロワシの雌雄がいることに気づく。今朝、老木に舞いおりたオジロワシも、その凛とした風貌や行動からこの湖で長年にわたり繁殖している個体とわかる。この時期になると営巣木の周辺でテリトリーを誇示し、巣材を運び補修を始めるようになる。今月中には氷上や樹上で繁殖行動を見せ、3月には営巣木で抱卵を始める。5月に新しい生命が誕生するだろう。
風の記憶

北海道東部に位置する風蓮湖の氷上は、数日間、暴風が吹き荒れていたが夕暮れどきには強い北西の風がおさまりつつあった。暴風に運ばれた細雪が南側の湖畔林に吹き溜まり、壁のようになっている。1月下旬とは違う景色が目の前に広がっていた。雪原と化した風蓮湖には美しいシュカブラ(雪紋)が遥か彼方まで刻まれ、斜光に照らされた光景は他の惑星に立っているかのような感覚におちいる。風によって流れるように六花を運び多様な紋様を刻一刻と変えていく。太陽が沈むまで無数にあるシュカブラのなかから、より美しく力強い雪紋を探しまわったが、結局出合うことはできなかった。
冬山に刻まれた荒々しいシュカブラも美しく魅かれるが、広大な風蓮湖一面に暴風雪が過ぎると突然現れるシュカブラもまた魅力的だ。風そのものを写し撮ることはできないが雪面に残る「風の記憶」をこれからも大切に記録していきたいと思う。
潮汐の造形

氷点下16℃の風のない朝、海面に張った氷がギィー、ギィーとガラスが擦れるような音を奏でている。薄明のなか徐々に氷のディティ-ルが見え始めた。暦は中潮で月齢6、95の上弦の月。真夜中から明け方にかけてゆっくりと海面が上昇する。それに伴い水面を凍結させながら薄氷を積み重ねてできた自然現象。それは繊細なガラス細工のような自然の造形美。薄氷に陽光が透過しはじめると少しずつ気泡が弾けるような音を立てながら、潮位が上昇する海のなかに消えていった。
流氷群

夜半過ぎに北海道東部に位置する屈斜路湖の湖畔に雪とともに強い北西の風が吹き始めた。ここ数日の海氷図から海氷が接岸すると確信し、夜が明けると同時に車を走らせオホーツク海を目指した。前日の予報では午後からの降雪だと伝えていたが、想定外の雪と地吹雪で走行は困難となり神経をとがらせる。野上峠を越え小清水の町に入る頃には雲間から青空が見えはじめた。しかし風が止む気配はなく強まるばかり。冬には雪原へと変わる農地に挟まれた道路は時折ホワイトアウトとなり、視界を真っ白な世界に奪われながらウトロへと向かった。
約10年、北海道の四季を見つめてきたが、毎年新鮮な思いで待ちわびるいくつかの出合いがある。この時期にオホーツク海のずっと北からやってくる流氷群もそのひとつ。強風の朝、目を覚ますと海岸線を埋めつくしたかと思うと、午後には離岸し水平線の彼方で白い線となっていることもある。生き物のようにとらえようのない存在がまた魅力なのだろう。11月オホーツク海北西部で生まれた海氷は、風とともに漂流し長い旅を続け、豊かな生態系を育んでいく。知床半島を回り込み、根室海峡を漂いながら南下し根室半島に接岸する頃には、もう春はそこまでやってきている。これから流氷が多くの栄養素と多様な物語を運んでくれることだろう。流氷は私にとっても、北の海からの大きな、大きな贈り物。
氷海に生きる海馬(トド)

夜明け前、知床、羅臼に深々と雪が降り始めた。知床連山の稜線から海岸まで平地が見られない急峻な半島の天候にはいつも悩まされ期待を裏切られることが多い。まだ北西の風とうねりが残る根室海峡へと野田氏(トド観察ガイド)が操船するチャータ-船でトドの群れを探すため出港した。途中薄明りに照らされた小さな蓮葉氷が小波に揺られて漂っている。10分ほど船を走らせると、風に乗ってグゥオー、グゥオーと唸るような鈍い鳴き声が波音に交じって流れてくる。その方向に目を凝らすと、遠方に海面から頭を出した数十頭のトドが浮き沈みしながらこちらを見つめている。うねりのあるなか、船頭の巧みな操船でゆっくり近寄る。50m、30mと近寄っていくが逃げ惑う様子もなく、群れで悠然と泳ぎだした。しばらくすると群れから離れた1トンほどの巨体をもつトドが船底を抜け、突然目の前に現れダイブした。水しぶきが顔にかかりそうな近距離だ。その圧倒的な生命力にシャッターを押すことも出来ず、ただ目の前で起きた光景に言葉さえ失った。はるばる千島中部から海游してきたトドと一瞬ではあるが心が通ったように思えた。
一時生息数が減少したトドは、ロシアや北米で保護されて回復傾向にある。知床に来遊するトドは、主に繁殖地の中部千島からスケトウダラなどの魚を求め来遊してくるが、スケトウダラの減少と共にトドの来遊数も減っている。変わって日本海側に現れるトドが増加している。
ナショナルジオグラフィック日本版2月号に「風蓮湖」の記事が掲載されます

ナショナルジオグラフィック日本版 2017年2月号(1月30日発売)の「写真は語る」に ー風蓮湖、鳥と漁師の冬ー が掲載されます。ウェブサイトにも掲載されていますので、下記よりご覧ください。
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/17/011300007/
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/15/269803/011700018/
ブリザードが過ぎて

急速に発達した低気圧が北海道を過ぎ去った後も、強い北西の風がビュー、ビューと音を立て雪煙を巻き起こし吹いている。この強い北西の風が年末から彷徨っていた流氷群をオホーツク沿岸に着岸させた。そんな強風が吹くなか、逆光に浮き立つ白とブルーのコントラストが美しいシュカブラ(雪紋)が残る野付半島にはいった。いつもは無数にいるエゾシカも数少なく、林のなかで風が静まるのを待っているようだ。約30kmほどの細長い半島に、まばらにいるエゾシカのなかから立派な角を持った一頭のオス鹿に惹かれ雪原へと下りた。シュカブラに足跡を残すのを惜しみつつ、ゆっくりとオス鹿へと向かって歩き、じっと落日を待つ。やがて太陽は西へと傾き、淡く燃ゆるように地平線へと消えていった。
一本松

ここ数日、風蓮湖の氷上でテントを張り、撮影を続けている。真夜中には満天の星が煌いていたが、明け方に湧きはじめた薄暗い雲に、瞬く間に隠れていった。気温は氷点下18℃、風もなく気温ほど寒さを感じない穏やかな朝だ。水平線からわずかばかりの雲のすき間に、太陽が顔を見せると、燃えるような真っ赤な光芒が上空に真っ直ぐ伸びた。サンピラーと言われる寒冷地特有の自然現象(細氷現象)で、空気中の水蒸気が凍って太陽の光に反射して見える。太陽が昇り、サンピラーが消えかけると間もなく優に樹齢100年を超える一本のグイ松の樹上に、魚を咥えたオジロワシがとまった。長年、この厳寒の地で暴風雪に耐えながら、多様な動物たちと人間の生活を見守ってきたことだろう。
写真展開催中です

写真展「NATURE CRAZYS」ーライフスケープ編集長が推す”常識やぶり”な若き写真家たちーが富士フィルムフォトサロン仙台で2月7日まで開催されています。会場内でオリジナルプリント(サイン入り)も販売されておりますので、ぜひお立ち寄りください。
フォトブック「北国の小さな物語」が完成しました

富士フィルムフォトサロン仙台で開催中の写真展「NATURE CRAZYS」 ーネイチャー・クレイジーズ ライフスケープ編集長が推す”常識やぶり”な若き写真家たちー 開催に伴いフォトブック「北国の小さな物語」が写真展会場とインターネットで販売されます。北海道の四季を通じて人知れず繰り広げられている動物たちの小さな物語を写真と文で紹介しています。内容詳細とご購入方法は下記のページからご覧ください。
http://www.fukei-shashin.co.jp/lifescape/
小寒を迎えて

氷点下10度の寒気を纏った風が吹き抜けるなか、
気嵐(けあらし)

氷点下25℃に達した夜明け前、月光に照らされた水面に気嵐が立ちはじめた。遠方に眠っているタンチョウの群れが、望遠レンズを通して気嵐の漂う合間に垣間見える。頭を羽毛に隠し、1本の足を交互に使い立ち続け、じっと太陽が昇り温かくなるのを待っている。やがて霧氷に覆われた河畔林に光が差しはじめると、モノクロームの世界が広がり、より厳寒に生きる生命が輝いてみえる。間もなく陽光がタンチョウたちに降り注ぐと、喜ぶように舞いはじめ、鳴き交わす声が辺りの静寂をかき消していく。厳冬期の凍れが強まるたびに、太陽の恩恵を切に感じる。人も動物も共に温もりが恋しくなる季節がやってきた。
謹賀新年

謹んで新年のお祝いを申し上げます。昨年はご愛顧いただきありがとうございました。この時期になると、年を重ねる度に一年がまたたく間に過ぎ去っていくように感じられます。名残惜しく2016年を終え、阿寒国立公園内にある美幌峠で元日を迎えました。氷点下20度の寒気のなかで雲海から昇る初日の出を迎えた後、タンチョウの撮影のため鶴居村に向かいました。その道中、流れる車窓からダイヤモンドダストがキラキラと雪原に舞い降りていました。2017年、まずは素晴らしい光景に恵まれスタートできました。この新しい年が皆様のより佳き年となりますようにお祈り申し上げます。東の空にオリオン座が輝く鶴居村より。
写真展のお知らせ
写真展「NATURE CRAZYS」 ネイチャー・クレイジーズ ライフスケープ編集長が推す"常識やぶり"な若き写真家たち
上田大作 ・ 佐藤岳彦 ・ 高久至 ・ 増田弓弦
2017年1月12日(木)~2月7日(火) 富士フィルムフォトサロン仙台で写真展を開催します。
風連湖ー氷上に生きる生命
北海道東部にある風蓮湖では毎年1月になると湖が結氷し、伝統漁の「氷下待ち網」が行われます。この漁が行われる事により始まる、漁師と動物(オオワシやオジロワシ、キタキツネなど)たちの多様な物語と多彩な表情を見せる美しい氷上の景色を文章と併せて展示します。良かったら、会場までお越しください。
同時に「本屋ライフスケープ」も開催されます。4人による限定版フォトブック、雑誌「ライフスケープ」のバックナンバーやネイチャー系写真集などを集めたミニ本屋が期間中会場の一角に登場します。是非お立ち寄りください。
会場:富士フィルムフォトサロン 仙台 入場料:無料 企画 (株)風景写真出版 協力 富士フィルム株式会社
冬のはじまり

氷点下15度の寒気に包まれた朝を、連日のように迎えている。例年になく早い冬の訪れだ。 ラニーニャ現象の影響なのかは明らかではないが、冬型の気圧配置が続き、強い北風と共に流氷はサハリン沖を南下し、流氷初日も1月上旬には期待できそうだ。北海道東部の湖沼や湾内は結氷を始め、早くも厳冬期の表情を見せ始めている。積雪も多く、山や森からエゾシカの群れが続々と雪の少ない風衝地に植物を求めて集まっている。湖が結氷すると氷上はエゾシカやキタキツネの獣道となり、食物を求め森から森へと生命を繋ぐ移動路となる。その周辺のヨシ原ではコミミズクがネズミを探しながら長い両翼を風に乗せ舞っている。ハマニンニクの群生地では雪ホオジロの群れが忙しく行き来し、殺風景な景色に彩りを添えている。これから厳寒で過酷な季節が始まる北の大地で、生命の力強さと脆さをも秘めた多様な物語が刻一刻と繰り広げられていくだろう。
小さな瞳

雪が深々と降っている。ミズナラの大木の陰で、
流星群

零時を過ぎた三日月の夜、雪化粧した知床連山の天上を流星が駆け抜けた。おうし座流星群だ。10月に入ってから不安定な天候が続き、夜空をゆっくり眺めることも出来なかったが、今宵は風もなく穏やかだ。時折、繁殖期を迎えたオス鹿の寂しげな鳴き声が山裾に響き渡り、静寂をかき消す。気温は0度、この時期にしては、冷え込んでいるが何故か心地良い。知床連山を越えた羅臼の海は、煌々と漁火が灯され、山の輪郭がはっきりとわかる。しかしその灯かりにも負けず東の空にはオリオン座が美しく輝き瞬いている。その上空をまたひとつ流星が駆け抜けた。
森粧う

ここ1週間、寒暖の差が激しく季節は駆け足で初冬へと移ろいでいる。落葉で少し明るくなった森のなかを雪虫が舞い始め、ミヤマカケスが忙しくドングリの採餌をしている。林床はふかふかの絨毯のように落葉で覆われてきた。
今季は台風がもたらした塩害で諦めていた知床の紅葉も、局所的ではあるが黒ずんでいたはずの葉が、この数日で息吹をとり戻すように一斉に色付き始めてきた。多様な色彩を纏った空間に誘われ、森へと美しい光を追っている最中も、ひと風ごとに乾いた葉が一枚一枚、音を立て舞い下りてくる。その様子を青空へと真っ直ぐに伸びるカツラの大木の下で見上げていると、V字編隊を組んだオオハクチョウが喉を鳴らしながら知床の山を越え、南西の方角へと消えていった。
名残惜しく過ぎゆく時に、あと何度出あえるのだろうか。秋に美しい景色に出あう度、そんな想いを募らせていく。それは同時に人生の短さを、教えてくれているように感じられるのです。
共生

まもなく10月を迎えるが、暖かく穏やかな朝が続いている。先週から日ごとに色づく紅葉も、今週は足踏みしているように感じる。日課のように沢へと向かうと、何時ものようにカワガラスが「ピィ、ピィ」と上流から飛翔しながら出迎えてくれる。水面に映るカラフトマスの魚影は日ごとに減り、瀬や岸に息絶えた魚体の姿が目につくようになった。腐敗した匂いが上流から微風と一緒に流れ、森を包み込んでいく。
魚止めまで上る途中、沢を覆うほど広がるミズナラの樹冠からドングリが頭に落ちてきた。足を止めてみると、次々と林床に落ちてくる。不作だった昨年と比べると秋の稔りは良さそうだ。
さらに上流へと足を進め、ヒグマの足跡や食痕、糞を辿っていくと、一本の桂の大木が目の前に現れた。今にも崩落しそうな断崖に、巨岩を包み込むように抱く幹のような太い根、その姿に強く惹かれ立ち尽くす。巨岩が支えられているのか、桂の大木が支えられているのかは分からないが、共に長い年月、この知床の森で多くの物語を見守ってきたことは想像できる。
今年で何度目の秋を迎えるのだろうか。あと1月もすれば、黄色く紅葉した姿を見せてくれるだろう。
生命(いのち)の連鎖

早くも雪化粧した知床の峰々の上空を次々と巻雲が北西から流されてくる。強い寒気と低気圧の影響で知床は不安定な天候が続き、寒さが一段と増してきた。
先月下旬から撮影地を移動し、沢を歩きヒグマなどのフィールドサインを追っている。多くの夏鳥は南へと去ったなか、沢沿いの笹薮からコマドリが顔を見せ、張りつめていた緊張感が一瞬やわらいだ。もう今頃は、南へと渡っているだろう。度重なる台風の影響(塩害など)で、紅葉する前に黒ずんだ葉や落葉している木々が目立ち、山麓は冬枯れの景色へと変わっている。沢には足の踏み場もないほどカラフトマスの魚影が濃く、5~6歩進めば踏みつぶしてしまう数が遡上している。この10年でこれだけのマスは初めて見る。しかし2週間経った今ではその数も減り、産卵を済ませ息絶えた魚体が瀬に連なっている。代わりにそれを目当てにオオセグロカモメやセグロカモメが集まり始めるている。同時にカモメを執拗に追うクマタカの姿を多く見かけるようになった。
厳冬に向け、生き物たちは秋に多くの脂肪(エネルギー)を蓄えなければならない。「食う、食われる」の関係、それは生命の連鎖。カラフトマスはカモメのなかで、カモメはクマタカのなかで生き続けるだろう。ここ数日、大気が温められると決まって冷気と共に峰々を越えて乱層雲が上空を覆い始める。今日もまた冷たい雨が降りはじめた。
帰燕

昨日から強い北風が吹いている。一昨日までの暖気が嘘のように昨晩からぐーんと冷え込み、今朝の知床の気温は8度。今季一番の冷え込みとなった。先週から通っている沢沿いに群生するカツラの紅葉が、一段と黄色く色付いたのがわかる。これから日一日と森の色彩は休むことなく秋色へと変わっていくだろう。
薄明から川霧の中を数羽のカワガラスが忙しく行き来している。その下ではカラフトマスの遡上が絶え間なく続き、産卵を終え魚体が傷ついた個体や、力尽き流されていく個体も多く目につくようになってきた。その魚影の動きに反応しながら、樹上からオジロワシがじっと見つめている。薄日が射し、陰に潜めていた輪郭と鋭い眼光が浮き出てきた。
一昨日まで高く澄んだ空を縦横無尽に飛び交っていたアマツバメの姿は見えなくなった。あと一月もすれば北の空から、V字編隊で喉を鳴らしながら騒がしくオオハクチョウがやってくるだろう。
森へと命をつなぐカラフトマス

知床連山の裾野にも秋の訪れを感じるようになってきた。森に入ると山葡萄やイタドリなどの葉が色づき始め、林床には色彩豊かなキノコを目にする。山裾へと森を縫うようにして伸びる支流にも、カラフトマスが遡上し産卵を始めている。その流域にはヒグマやキタキツネ、オジロワシ、シマフクロウなどが姿を見せ、水中ではカワガラスやヤマメ、オショロコマが産卵床から流れた卵を競うように食べている。北の森は厳しい冬に向け、少しずつ緊張感をもった空気が漂いはじめている。
頭上をアマツバメの親子が風を切り縦横無尽に飛んでいる。もう間もなくすれば、南へと渡っていくだろう。
遠雷

近年、記憶に無い3つの台風が続けて北海道に上陸し、知床半島も未だに不安定な天候が続いている。しかしこの台風が大雨をもたらせ、増水した川のおかげで人工物を越え、カラフトマスが次々と遡上を始めている。この夏に巣立った幼鳥を連れたオジロワシの親子も、マスを求めて流域に姿を見せるようになった。
あれだけ賑やかだったキビタキやオオルリの囀りも森から消え、力無いアカエゾゼミの鳴き声が、夏の終わりを告げているようだ。日一日と冬至に向けて、日も短くなり、本日の日没は18:07分。朝晩の風も冷たくなり季節は秋へと移ろい始めている。日没後、発達した積雲から轟音と共に鋭く美しい光が、薄暗くなったオホーツクの海を照らし出した。
ヒグマの森

北海道の多様な山や森を多く見て歩いたが、知床ほどヒグマに出会えるフィールドはないだろう。この日もエゾイラクサを食べるヒグマに出会った。この夏は山桜の果実が豊富で赤い実が残ったままのヒグマの糞を森でよく見かけた。
8月中旬に入るとカラフトマスやシロザケを目当てに河川や海岸沿いに下りてくるヒグマを多く見かけるようになるが、ヒグマの栄養源のうち鮭、鱒が占める割合は全栄養源の5%にすぎないといわれている。多くの栄養源は森のなかで植物や昆虫を食べ、ひっそりと生きている。
雪渓の周りはいつも春

知床半島も気温25度を超える日々が続いている。そんななか知床連山の尾根を目指した。早朝に出発したものの背負っている荷の重量も有り、汗が止まることなく流れ足取りが鈍い。
途中、遠方からの沢音に涼を感じ、巨岩の脇で密やかに咲くタカネナデシコに元気をもらい大沢の大雪渓を超え尾根に辿り着いた。雪渓の周りの雪田地帯にはチングルマやエゾコザクラ、エゾノツガザクラ、キバナシャクナゲなど次々と咲き、風に揺られている。多様な色を纏ったお花畑の光景は春のようだ。エゾコザクラは芽吹きから開花までの平均期間は8日間。短い夏を駆け足で咲き誇り、次の命へとつないでいる。
エゾライチョウの森

早春、新緑芽吹く知床の森に「ピィーッ・・・・ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」かん高い鳴き声が響き渡る。エゾライチョウのものだ。ひと目会いたいと鳴き声を頼りに探し歩くが深い森へとその声は遠ざかり消えていく。その姿を見ることは叶わなかった。
7月上旬、エゾライチョウの巣立ちの季節。ヒナを連れた親子を探し知床の森を歩いた。小さな沢を幾つか越え針葉樹と広葉樹が混在する鬱蒼とした森で、突然鋭い羽音とともに林床から黒い影が飛び立った。親鳥だ!トドマツの高い枝に止まり上下に頭を動かし警戒している。近くにヒナがいると察し、静かに歩み寄ると小さな影が一つ、二つと次々に羽音をたて飛び立ち一羽がトドマツの低い枝に止まった。小さな体を暗い影に潜め小刻みに小さな囀りで親鳥を呼んでいる。しばらくすると親鳥の囀りに導かれ枝から枝へと沢を越えて深く暗い森へと消えていった。
知床連山の短夜

夏至を過ぎた知床連山の稜線で夜を待った。ウトロ沖に日が沈み、ウブシノッタの沢筋から生暖かい風と共にトラツグミの囀りが微かに流れてきた。雪渓が残る荒涼とした景色は少しずつ闇に包まれ、やがて満天の星が瞬きはじめると峰々の天上に銀河が架かり流星がかすめていく。昼間は遠方に感じた斜里や標津の町も灯りが煌々と輝き、知床の景色の一部となっている。
ふと懐かしく思い出した。星空の下、大雪山の稜線を灯りのない闇を探し歩き続けたことを。結局、闇を探し出すことは出来ず、もうそんな土地が無いことを悟り一抹の寂しさを覚えた。
真夜中を過ぎると東の空に紅い三日月が顔を出し、少しずつ星々は薄明に包まれていく。やがてルリビタキやノゴマの囀りで賑わいはじめ、峰々に朝を告げる。
トラツグミ(鵺ぬえ)の森

北海道で活動を始めて間もない頃、深い森へとシマフクロウを探すため足を踏みいれた。時間を忘れ探し回っていると昼間でも薄暗い森の奥から「ヒィーヒィー」「ヒョーヒョー」寂しげで不気味な鳴き声が響きわたってきた。しかし鳴き声のする方向をいくら探しても姿を確認できない。
太陽が沈み森が暗闇に支配されると鳴き声は一層と不気味になり、背後を追ってくるように聞こえてくる。当時、鳴き声の主がわからなかった事もあり恐怖を感じ、森を足早に駆け下り車へ戻った記憶がある。
その鳴き声の正体はトラツグミ。実は古事記や万葉集をはじめ古来より伝説の怪物「鵺」として日本文学に登場し恐れられてきた。
そんなトラツグミと知床の森で出会った。今はその鳴き声も怖くはない。
クマゲラ(チプタ・チカップ)の森

深緑で映える知床の森でクマゲラに出会った。アイヌの人たちはこの鳥をチプタ・チカップ(舟を掘る鳥)と呼んでいました。その理由は彼等の好物である昆虫(蟻など)を食べるため、松類の枯れ木に丸木舟のような形の食痕が見られるからです。この森にも点在し上下1mほどの大きな食痕も見られます。またヒグマの居場所を教えたり、道案内してくれるカムイ(神)としてアイヌの人たちに崇められていました。
夏至21日の夕方と翌朝、知床の森で営巣木から3羽のヒナが巣立ち、深い森の奥でドラミングの音が木霊しています。これからヒナたちは親鳥から多くのことを学び、森を自由に飛び交うことでしょう。
キタキツネの森

6月、知床の森はエゾハルゼミの鳴き声で支配されている。陽射しが森を温めると早朝から賑わい始め、動物や鳥を探し歩くのに最も重要な多様な音がかき消される。時折静まる合間を縫ってアオジやキビタキなどの多様な小鳥の囀りが頭上から聞こえてくる。陽光に透過された高い樹冠は深緑であふれ、陽が昇るにつれ空間を染めていく。そんな生命力で漲っている森を幾つもの倒木を越えながら獣道を進んだ。至るところでアカエゾマツなどの倒木更新が見られ青々とした美しい林床に見惚れどこまでも深く入り込んでいく。
大きなトドマツの倒木の間から微かな視線を感じた。それは母ギツネの帰りを待つ仔狐のものだった。風が吹き樹冠を抜けて一筋の光がその瞳を照らした。サファイアのように透き通った美しい瞳には凛とした野生の力強さが早くも芽生えていた。
知床 羅臼岳南西ルンゼ

5月上旬、知床の峰々はまだ雪で覆われている。山容は日一日と春の訪れを知らせ、終わりつつある雪景色を名残惜しみながら知床峠へと車を走らせた。峠からスノーシューに履き替え、長い年月強風に耐えたダケカンバの奇形樹の群生地を縫うように羅臼岳の麓まで進む。気がつけば辺りは音のない世界に包まれていた。
斜度は高度を上げるにつれ増していき、壁のように聳え立つ黒い岩肌に挟まれた雪渓(南西ルンゼ)が現れた。斜度は40度から45度、ここでスノーシューをデポしアイゼンを装着し一歩ずつ慎重に足を運ぶ。高度を増すごとに変わる光景に息を呑み、疲れを忘れ高度を上げていく。、標高1400mを越えた頃だろうか、ハイマツ帯からギンザンマシコの優しい囀りが風と一緒にながれてきた。ピーンと張りつめていた空間が一瞬にして緩んだ。忙しくハイマツ帯を行き来し繁殖の準備をしている。オスの紅く美しい婚姻色にしばらく見惚れ,またピークを目指し雪渓にステップを刻んでいく。
まだ雪深い知床の尾根で小さな春の訪れを感じた。五月下旬には知床の山麓も新緑に包まれ多様な音で賑わい始めるだろう。
トークイベントのお知らせ

【NATURE CRAZYS 写真展記念トークイベント】
「自然写真家という旅」
増田弓弦×上田大作
日時:5月15日(日)19時~21時
会場:本屋B&B (下北沢)
入場料:1500円+1ドリンク500円 定員50名、要予約
良かったら会場まで遊びに来てください。お待ちしています。
ミソサザイの沢

北海道東部の林床の雪解けも一斉に進み、福寿草の黄色い花々が遅い春の訪れを知らせてくれる。そんな4月のある晴れた朝、車を走らせ道東にある沢へと向かった。寒気を纏った北風がビュービューと吹き気温は2度、寒さに慣れているはずの身体も、芯から冷えてくる。目的地に着くと原生林に木霊するアカゲラのドラミングで迎えられた。幅2mほどの沢に入ると、ミソサザイがどこからかやって来た。青々とした苔に覆われた倒木の上に止まり、小さな体を震わせながら繰り返し美しい声で囀っている。その体からは想像できないほどの声量に、どこにこんな体力があるのかいつも不思議に思う。
囀りに導かれるように沢を上っていくと、時折岩魚の魚影が足元を素早くかすめて行く。この日小さな沢を5本ほど歩いたが、どの沢にもミソサザイの美しい囀りが水流の音にかき消されることなく流れてきた。
何キロほど歩いたのだろうか。太陽は西へと傾き、水面に映り込む木々の影が伸びていく。上流の水源に辿り着くと、まだ新緑にはほど遠い北の森で、眩いばかりに水面が深緑で輝いている。そこに広がっていたのは梅花藻(バイカモ)の大群生地だった。よく見ると清流に揺られながら小さく白い可憐な花が数輪咲いている。冷たい清流のなかで春が密やかに芽生え始めていた。
薄暗くなった帰路の途中、沢沿いで一頭の若いヒグマに出会った。一瞬見つめ合ったがすぐに森へと姿を消した。今年初めての出会いだった。これから冬にかけて新たな出会いの予感と一抹の不安を感じながら足早に沢を下り車を北へと走らせた。
ギャラリー Photograph 「原始の森 Forest of primaeval」 を公開しました

「原始の森 Forest of primaeval」 を公開しました。当HPリニューアル後、カテゴリー別に解説文、各写真にキャプションを記載し紹介していますので御覧ください。
写真展のお知らせ

写真展「NATURE CRAZYS」ネイチャー・クレイジーズ-ライフスケープ編集長が推す"常識やぶり"な若き写真家たち
前編 : 2016年4月15日(金)~2016年4月28日(木) 佐藤岳彦 高久至
後編 : 2016年5月13日(金)~2016年5月26日(木) 増田弓弦 上田大作
開館時間 10:00~19:00 最終日は16:00まで
会場:東京都・六本木フジフィルムスクエア 入場料:無料 企画 (株)風景写真出版 協力 富士フィルム株式会社
トークイベントも予定しておりますので、良かったら会場まで足を運んでみてください。
ホームページをリニューアル公開しました

ホームページをリニューアルしました。Photographを近日中に新規公開予定しております。Movie作品はもうしばらくお待ちください。どうぞ宜しくお願いいたします。
ギャラリーページ Shiretoko National Park を公開しました
夏の東北、晩秋の大雪山と取材を終え、今年、世界遺産10周年を迎えた知床の森へと足を踏み入れた。ヒグマやエゾシカ等の動物たちに出会えたが、10年ほど前に訪れた頃とは環境は一変していた。
人と動物との「共生」・・・という言葉と、自然に対する謙虚さを失った人間の行為との狭間で、知床の自然のリズムの調和は崩れ始めている。確実に動物達の多くの命が犠牲になっている。人と動物との「共生」、この言葉に内包される混沌と真理を各々が意識し、より良い知床の未来を想像することが調和への一歩だと思っている。近い将来、ここ知床が世界に誇れる世界遺産になることを心から願っている。
ギャラリーページ Mt.Daisetsu National Park を公開しました
大雪山の初夏から晩秋にかけての短い夏の光景を公開しました。今シーズンはどんな出会いが待っているのでしょうか?みなさま良かったら足を運んで大雪山の息吹を五感で感じてみてください。
ご来場ありがとうございました
「ネイチャー・クレイジーズ」富士フィルムフォトサロン大阪企画展、無事に終了いたしました。会場までお越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。また日ごろより応援していただいている皆様、心より感謝申し上げます。
写真展のお知らせ
今年1月に創刊した写真誌「ライフスケープ」(株)風景写真出版 編集長が推す”常識やぶり”の若き写真家たち「ネイチャー・クレイジーズ」富士フィルムフォトサロン大阪 企画展に「風連湖ー氷上に生きる生命」作品10枚を展示します。他3名の作家の作品も展示されますので是非ご覧ください。 企画写真展「生(ライフ)」との併催になります。 日程:3月20日(木)~4月1日(水) 会場:富士フィルムフォトサロン大阪(大阪市中央区本町2-5-7大阪丸紅ビル1F) 富士フィルムフォトサロン
ギャラリーページ Winter~Spring Of Hokkaido を公開しました
流氷に覆われた厳冬からゆっくりと雪解けていく早春まで、凛として生き抜く生命の営みを御覧ください
冬至を越え太陽の軌道が日一日と高くなり、早くも流氷がオホーツク海の水平線に姿を見せています。風が流氷を運び流氷が多様な生命の糧と物語を運んでくれます。その物語は希望を運び多くを勇気づけてくれるでしょう・・・・・・・春はもうそこまでやってきています
TOPページを更新しました
TOPページを更新しました。現在、厳冬期の大雪山取材の準備をしています。新たな出会いと幸運が訪れることを祈りながら・・・・・そしてみなさまにも
ギャラリーページ Autumn~Winter Of Hokkaido 公開しました
秋~冬にかけて北海道の厳冬を生きぬく動物達の姿を公開しましたので御覧ください。
現在、大雪山にて晩秋から初冬にかけての風景と動物達の撮影を続行中です。近年にない素晴らしい紅葉と初雪に巡り合うことができました。あらゆる出会いに感謝しています。
ギャラリートップページを更新しました
ギャラリートップページの写真を3枚更新しましたので御覧ください。また9月には秋~冬の北海道の景色を公開しますのでどうぞ宜しくお願いします。
ホームページ Summer~Autumn Of Hokkaido を公開しました
夏~秋にかけての北海道の動物達の写真を公開しましたので御覧ください。
春より大雪山の稜線から山麓に亘り、風景に花や動物の取材を続けております。近々、公開を考えておりますので宜しくお願いします。
ニッコール年鑑 2013~2014 作品掲載しています
1952年より毎年発行されておりますニッコール年鑑の2013~2014年度版に招待作品として「シロカモメ」を掲載しておりますのでご覧ください。
田淵行男賞を受賞しました
「風連湖-冬の物語」が、第4回田淵行男賞を受賞しました。選考概要については、田淵行男記念館(公式サイト)での発表をご覧ください。また入賞作品は当サイトギャラリーページにも掲載予定です。